LDLと感染症
出た出た。「超善玉ホルモン(長生きホルモン)ことアディポネクチンが多いと骨粗鬆症になりやすい」と云うデータに続いて、今度は「LDLコレステロールが多いと感染症になりにくい」と云う報告。
これは血液透析患者に限った検討ではありますが、『LDL-Cは細菌性毒素の吸収および不活化に働いて、先天免疫に関与している可能性が考えられている』という理論は普遍的な内容なのでしょうから、生命予後には有意な関連はないにしても、一般人でも「LDLコレステロールを減らすと感染症になりやすい」可能性はあるのではなかろうか。
『血液透析患者における動脈硬化性疾患ではLDL-Cよりも炎症の関与がより大きく、炎症そのものや細菌性毒素などが炎症を起こすプロセスの抑制がより重要な可能性がある』というコメントは重要な示唆だと思います。
というか、やっぱり生き物のカラダに存在するすべてのものには大事な役割があって、「少なければ少ないほどいい」なんてものは存在しない(そんなものがあるなら最初から消えてなくなるはず)し、「多ければ多いほどいい」というものも存在しない(そんなものがあるなら最初から増量し続けるようにプログラムされるはず)という当たり前の摂理を、世の中のすべての者があらためて認識すべきであるということを示していると感じています。
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