« 始業時間 | トップページ | 道の駅のトイレ »

高血圧治療、本当は?

中国成人の約半数が高血圧、うち7割は服薬なし

『35~75歳の中国成人において、ほぼ半数が高血圧症を有し、治療を受けているのは3分の1未満で、血圧コントロールが良好なのは12分の1未満であることが明らかになった。中国医学科学院・北京協和医学院のJiapeng Lu氏らが、約170万例の代表サンプル成人を対象に行った、住民ベースのスクリーニング試験の結果を報告した。』

Lancetで報告されたこの記事。中国の現状を表し、最後に『中国人のすべてのサブグループで、血圧コントロール率が低い集団が認められた。幅広くグローバルな戦略、たとえば予防へのさらなる取り組みや、優れたスクリーニング、より効果的で手頃な治療が必要であることを支持する結果であった』と書かれているのを見ながら、循環器科医なのにちょっとだけ違和感を感じています。中国人の食べるモノやあの大気環境が動脈硬化予防にどれだけ悪いかは想像できますが、一方で、痛くも苦しくもないのに金出してクスリを飲むなってことをしない国民性だとかいうことを考えれば、大して驚くデータではないように思います。それよりも、この自然歴に近い現状の集団から、本当に脳卒中や動脈瘤などの脳血管疾患が多く生じているのか? 高血圧が野放しにされていたり十分な降圧をしなくても、リスクはそう高くないと云うことはないのか? そこのところのデータはどうなのだろうか、という疑問。「高血圧は厳格な降圧治療すべきである」ということを前提に研究されていますが、これまで日本を含めて世界中で示されてきたエビデンスが中国人に本当に当てはまるのかは分からないのではないかしら。日本ではそれなりに降圧剤を飲んでいる人が多いのでもはや自然歴の研究は至難のワザです。アジア人と云う点では似ていても、生活習慣や食習慣、あるいは考え方まで全く違うのだから、日本人の常識を中国人にそのまま当てはめるわけにもいきますまいに、とふと思った次第です。

素人みたいなこと書いて、ごめんなさい。

|

« 始業時間 | トップページ | 道の駅のトイレ »

心と体」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 始業時間 | トップページ | 道の駅のトイレ »