高血圧の持論
「そうなんだよ。だからオレは1年間飲まされたクスリを、すっぱりやめたんだ」
わたしより若干若い彼は、突然饒舌に語り始めました。「クスリを飲むと良い感じの値になります。それはとても良いことなのですが、そうなると人間は努力をしなくなりますから、気を付けてくださいね」とわたしが云ったのがきっかけでした。
「人間として耐えられないんだよ。クスリを飲んで正常にしないといけないなんてことは本当じゃないと思うし、ワタシはそんなのは好かん。そんなものに頼らなくても、日常をきちんと生きておけば絶対に良くなるはずなんだ。一体、ワタシのやり方の何が悪いから、血圧が下がらんのかい? どうやったら良くなるのか教えてほしい」と彼は云うのです。
それだけ頑張っていても下がらないのなら、『体質』というものだから、現代社会に生きようとする限りクスリの助けがないと難しいと思います。「今の仕事をすっぱりやめて、どこかの山奥に篭って社会とのつながりを断って、自給自足、悠々自適、晴耕雨読の人生を送るなら、クスリなんて要らなくなると思いますけど・・・」と云ったら、「そんなことはムリだ」と一蹴されてしまいました。「それはおかしい。ワタシは何も悪いことはしていないのだ。運動も食事も睡眠もきちんと注意して生きているんだから、そんなワタシがそんな仕打ちを受けなければならない道理がない」・・・。
納得はしてもらえませんでした。「高血圧がずっと続いている方が圧力に慣れている。いつも低い血圧の連中は急に圧力が上がると慣れないものだからすぐに壁が壊れるかもしれないが、ワタシのように何十年も高血圧の人間は鍛えられているから大丈夫なんだ」と持論を展開して高血圧治療を拒んだ男性が居ましたが、わたしの説明に納得してもらえなかった二人めの御仁です。奇しくも、どちらも教職の方でした。
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