達観した子ども
<Infants make more attempts to achieve a goal when
they see adults persist.>
(大人が粘り強いのを見ると幼児は目標を達成しようとする試みを多くする)
毎月、日本ポジティブサイコロジー医学会の会員宛に配信されてくるメルマガの10月号の中にこういう論文が紹介されていました。Science 2017,357に掲載されたもので、生後15か月の幼児に対して、大人がいろいろ試行錯誤しながら目標達成のために粘り強く努力している姿を見せると、大人が楽に目標達成できている姿を見せる場合に比べて、その後自分に課せられた新しい課題を克服しようと試行錯誤する態度が強くなることが分かったそうです。紹介と解説をしている京都大学の高橋英彦准教授によると、子どものうちから周囲の大人(特に親)が目標に向かって努力を重ねている姿を見て育つと、努力することの普遍的価値を見出して、新たな課題に直面した時に粘り強く試行錯誤を繰り返す姿勢が強まることを示しているとのこと。
そんなサマリーを読みながら、すぐに違うことを考えてしまうわたし。「人生、努力するココロを持って貪欲に頑張ることが大事なんだぞ」ということを、幼少の頃から身に付けていることが、人間のココロの成長を促し、将来の成功につながるのだということに納得する一方で、物心ついた頃から、邪念を持つことなく一切の欲も抱かずあるがままにすべてを受け入れる聖人のような生き方をする親の姿を観て育った子の価値観はどうなのかしら? 仏陀やキリスト以上のカリスマが育ったりしないのだろうかと、今のわたしはそっちの方がはるかに興味があります。
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