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慢性腎臓病と身体能力

Medical Tribuneの配信記事にCKD(慢性腎臓病)の指標であるeGFR(推算糸球体濾過量)と身体機能についての記事が2つまとめて出ていました。

CKD患者の身体機能に歩幅が関連

eGFR低下は身体機能を左右しない

基本的に欧米人のデータなのであまり深くは読む気にはなれないのですが、CKD患者の運動障害や身体機能障害が合併症や死亡の要因となるため、『身体機能低下の予測因子は高リスク症例の早期発見を促す可能性』があるというのは周知の事実。そして、その予測因子に歩行速度だけでなく歩幅も重要である(『歩幅が狭いことが身体機能の低下や転倒のしやすさと関連する』)という報告をしたのがアメリカAlbert Einstein College of MedicineのMatthew K. Abramowitz氏らです。「で、だから何?」と突っこむのがわたしの趣味。要するに、「CKD患者さんはできるだけ意識して歩幅を広くさせながら早足で歩くように指導しなさい」ってことなの?

何か違うんじゃないの?と思ったところでもうひとつのアイルランドからのコホート研究の報告(Trinity College DublinのMark Canney氏ら)です。『高齢者ではeGFRが低値であるほど身体機能検査の成績が悪い』ことは分かっているが、これは腎機能が下がるから身体機能が低下するのか?という検討。背景因子で補正したらeGFRの程度が高くても低くてもリスクに差はなかったという結果が出たそうで、要するに「この相関関係は結果であって原因ではない」ということがわかったということなのだと思います。ま、そらそうでしょうね。「だから何?」という点では同じですかね。

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