やせるのが一番?
「先生、やっぱり生活習慣病を良くするためには、やせるのが一番なんでしょ?」
40歳半ばを過ぎたわたしのゴルフ仲間の男性が、先日のゴルフコンペの待ち時間にそんなことを云いました。腎臓を患っている彼はしっかり7キロも減量して、採血検査の値や血圧を正常に戻すことができたそうです。
「そのとおりです。よく頑張りましたね。すごいですね」と即答してあげるだけの裁量があるとわたしも一流医療人なのでしょうけれど、つい口ごもってしまいました。「やせるのはいろいろ取り組んだ結果であり、体重が軽くなれば錘(おもり)が無くなって血圧も下がるかもしれないけれど、単に『やせたらいい』と云う問題じゃないんだよね」とつい(屁)理屈をこねてしまうのがわたし。
「でもボクの主治医はいろいろ計算した挙げ句に『目標はさらにあと7キロ減量すること』とか云うんですよ。『勘弁してください。そんなに減らしたら仕事になりません』と云ってやりました。今が限界です」といつものように面白く話をまとめながら笑っていましたが、でもその通りだと思います。日頃から休むことなしにカラダを使って仕事をしている彼ですら、今以上の減量を試みたらおそらく筋肉が減り始めるはず。あるいは脱水。いずれにしても腎臓機能の改善を目標に置くなら、それはあまりに危険をはらんでいる計算式。QOL(生活の質)を考えるなら、彼の云う通り、「今がベスト」で良いんじゃないでしょうか。むしろ、今の状態を維持することの方が大変だと思います。
とにかく、「生活習慣病予防や健康を念頭に置いた場合の”減量目標”は、綿密に計算された値ではなく、単に結果として体重がプラトーになるところの値であり、それが各人の理想値である」というわたしの持論。決して間違ってないと思うんです。
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