タバコと筋骨格系損傷
”米国陸軍兵士を対象に喫煙およびトレーニングに関連した筋骨格系損傷についてメタアナリシスを行った結果、喫煙者では非喫煙者に比べて筋骨格系損傷のリスクが約30%高いことが分かった”というアメリカからの報告。
米国軍人の中で調べたところ、男女とも非喫煙者に比べて喫煙者で筋骨格系損傷のリスクが高く、喫煙強度が高い人ほどリスクが高かったそうですし、数カ月間の喫煙でもリスクは増大していたそうですから、カラダを使う仕事をするヒトやアスリートは喫煙でかなりパフォーマンスを落としていることが証明されたということになるのでしょう。 『一般成人の高強度の運動においても喫煙は筋骨格系外傷の中等度リスクとなる可能性がある』という締めくくり方は、そういう警鐘だと思われます。
トップアスリートが喫煙すればそもそも心肺機能を明らかに落としてパフォーマンスに大きな影響を与えるので吸わないヒトの方が多いでしょう(中にはいますけど)。さらに骨や筋肉まで侵すとなると、「喫煙で動脈壁が塩をまぶすかのように傷つけている」と云われるよりはるかに心を動かすことでしょう。ただ、軍人の喫煙率が一般社会よりはるかに高いのと同じように、肉体労働者の方がタバコを吸う人が多いのが現状。痛くも痒くもなくて実感もわかないし、そのために仕事がはかどらなくなって非喫煙者より給料が安くなるとかいうわけでもない以上、禁煙へのモチベーションとしては、どの程度のインパクトがあるのでしょうね。
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