深夜フィットネス
最近は24時間営業のフィットネスジムが流行りだとかで、昨日は朝の番組で深夜にフィットネスジムを利用しているヒトたちへのインタビューをやっていたのを見ました。
仕事が多様化して夜遅くまで働くヒトたちにとって、あるいは昼間は仕事が忙しかったり急な打ち合わせや残業があったりして時間を自由に使えないヒトたちにとって、カラダを鍛えたいと思うなら深夜しかないというのはよく分かりますし、企業もそういうヒトたちのニーズに合わせて良いところに目をつけたな、と思うのですが・・・。
大丈夫なのかしら? 医者としてはニンゲンのカラダのことが気になります。「日頃が不健康だから、健康になりたくてこの時間に運動」「もやしのような貧相なカラダだったけど、この時間に筋トレができるようになって10キロも体重を増やせた」などというコメントを聞きながら、心配になっているのは、サーカディアンリズムの問題。ニンゲンのカラダは本来、夜は十分な睡眠を取り、その間に傷んだ細胞を修復したり、肝腎などの臓器を休めたり、あるいは脳内情報の整理をしたりするシステムになっているはずなのに、その時間帯にその逆のことを必死にやっている。さらに睡眠時間確保のためにほとんどすべての人が運動後に(たぶんシャワーなどを浴びて)すぐに床に就いているけれど、それは睡眠の質確保に逆効果ではないのか? 交感神経や副交感神経の日内リズムを完全に無視したカラダの酷使は、アタマで考えている以上にダメージを与えているのではないのか? 夜中に筋トレして朝から一日働いてショートスリーパーを決め込みながら、「充実した健康的な生活ができるようになった」と思い込んでいる現代人の生き方は、本当に『健康』なのだろうか?
専門家ではないから、単なる杞憂なのかもしれないけれど、深夜フィットネスジムのヒトたちが皆満足感に浸っているのが、返って心配でなりません。専門家の先生方にいつか質問してみたいものだと思っています。
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