薄毛隠しとMRI検査
昨年末、わたしの勤務する病院のMRI検査で画像のゆがみが発生し、その原因が患者さんが使用していた増毛用パウダーだった可能性が高いことが判明しました。
薄毛隠しや白髪隠しのために頭に振りつけるパウダーとかスプレーとか、普通に普及していますが、その商品の中に『酸化鉄』の含まれているモノがあるようなのです。みなさんご存じのように、MRI検査は強烈な磁場の中で磁気共鳴を利用して検査するものなので、どんなにわずかな金属でも身に付けているととても危険です。だから、腕時計やネックレスだけではなくて、入れ歯とか人工物を使用した手術歴とかカツラの装着とかを、こと細かにチェックするのですが、「カツラはしていませんか?」とは聞きますが、「アタマにパウダー振っていませんか?」とはなかなか聞きません(聞けません)。しかもこの手のパウダーやスプレー商品のすべてに酸化鉄が含まれているわけではないようなのです。
検査技師さんから注意勧告メールが来ましたが、それによると酸化鉄の存在は、
①MRI画像の歪み
②火傷や熱傷の恐れ
③MRI装置の故障(酸化鉄の飛散)
などのリスクが考えられるそうです。使っている人はちょっと自ら申告するのに勇気がいるだろうとは思いますが、MRI検査を受ける場合は、パウダーやスプレーを使わないとか前もって洗髪して落としておくとかして、検査に臨んでください。プライドがあるのでそんなことはしたくない、という人は、迷うことなくMRI検査を拒否するか、酸化鉄の含まれてない商品を探すことをお勧めします。
ちなみに、セラミックスが含まれる遠赤外線下着や、ヒートテックような機能性(保湿性)肌着は検査中は着用禁止です。知っておくと良いと思います。
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