所見あるが治療不要(後)
(つづき)
たしかに健診機関には生データが大量に蓄積されています。皆さんは”データ”が大好きなようで、自分の”データ”が揃っているのを眺めると気持ちが落ち着くようです。でもそれは、ただの数値や絵でしかありません。例えとして妥当かどうかわかりませんが、試験対策のためにノートや試験対策本のコピーを山積みさせて満足しているようなもので、これだけでは何の意味もありません。
方や、医療機関受診を勧められても、実際にはどこを選んだらいいのかわからないから受診しないのだという。怪しい治療を受けるくらいなら、健診を続けておいた方が無難だと思っている人は少なくないみたい。”データ”に異常があろうとなかろうと、変な治療を受けることなく、健診で検査を受け続けていれば何とかなると思っている方・・・きっと、何ともなりません。
医療の現場にもAIの時代が来ています。「AIがもっと進化すれば内科医なんて必要なくなるだろう」と、ある友人がマジメに語っていました。さてどうなのでしょうか。情報さえしっかり入っていけばAIの下す診断に大きな失敗はないだろうとは思いますし、まあ健診を受けて放ったらかしているよりはマシだと思うのだけれど・・・。ふと考えるのです。AIなら、この「所見はあるが治療不要」の返信を受けた受診者を、翌年にはどう”処理”するのでしょう。どうしろ!と指示するのでしょう。「来年も健診を受けとけばいいんじゃね?」という判断を下して、「来年もココに来なさい。わたしが診てあげましょう」と云ってくれるなら、ありがたいことです。AIさんを主治医にしてやってください。でも、AIでもやっぱり「専門医に行け」を繰り返すのじゃないのかしら。
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