35度の前傾姿勢
わが国初の慢性便秘症の診療ガイドラインが発表されたというので、読んでみた。
慢性便秘症の定義として、便が大腸内に滞ることだけではなく、「毎日排便があっても患者に残便感や不快感があれば治療対象になる」という考え方が新しく付け加われたそうです。
まあクスリのことはいいとして、予防医療に従事する医師の立場としては、生活指導の部分を習得しておくことが重要だと考えています。日経メディカル2018.1号の記事を読むと、
・食物繊維の摂取量は、男性20グラム/日以上、女性18グラム/以上を推奨する。
・白米には食物繊維は多くない(一膳で0.2グラム程度)。
・排便時姿勢は前傾姿勢が理想で、しゃがんで前傾になる蹲踞型排便がよいから、洋式トイレより和式トイレの方が出やすい。
・蹲踞型排便では、恥骨と直腸が近接して直腸肛門角がより直線に近く、体重が足裏にかかり骨盤の可動性が高くなり自由度が増すと出やすくなる。
などが書かれていました。理屈以上に厄介なのは、膝が悪い高齢者が和式トイレに座るのは難しいということと、今どきの若い子たちは蹲踞自体できない人が多い中でどうやったらいいのかということ。洋式トイレに座る場合、『臀部(おしり)より膝が高くなるように足元に踏み台を置き、さらに前屈み35度の前傾姿勢になるように意識するといい』らしいです。とにかく、「踵を高く上げて前屈みになる」・・・便秘の方は覚えておいて、試してみてください。最近わたしも試してみていますが、たしかにこの姿勢になっただけで便意が強くなります。
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