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働き方改革(2)

(つづき)

若い頃はどれだけ一日中頑張ってもToDoリストは毎日増える一方でため息ばかりをついていました。自分の能力以上の仕事を引き受けていた可能性はありますし、未熟者なので要領が悪かったことも考えられますが、朝の段階で時間内に済ませるためにどうやったらいいかの1日の計画を立てればそれなりに仕事はこなせていたはずだと思います。昔は、夜遅くまで仕事をする姿が当たり前で、若いのが早々に帰ると「不真面目だ」と評価されていましたから、最初から時間的なマネージメントをする気がありませんでした。「時間が余るなら寸暇を惜しんで勉強をしなさい」・・・若い者は忙しさこそが優秀な臨床医になるための必須条件で、それでも「日本の医者は欧米の医者よりも楽をしている」と云われていました。

ところが最近になって急に、「時間マネージメントができない人はダメな人」と云われ始め、仕事に余分な時間がかかるのは能力不足だと云われてしまう。たしかにわたしが産業医をしている企業の過重労働面談の対象になる人の半数は「決して他の人より仕事量が多いわけではない」と上司が云います。「長時間働いていれば仕事ができる」と思うのは早計であるというわけです。でも、かつてのわたしのボスは、早朝の畑仕事から講演して夜中に帰宅するまで、次から次から新しい用事を見つけ出し、時間マネージメントをしているからこそこれだけの量のことをこなせるのだろうなと思わせる生き方をしている人もいます。そんな生き方を目の当たりにして憧れてきましたから、わたしも、いつの間にかいつも何かする事で落ち着く人間になり、何もしない時間ができると急に不安になるようになってしまいました。 (つづく)

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