ピロリ除菌と飲酒
”日本ヘリコバクター学会のガイドライン(2013年版)では、「アルコール摂取は除菌率に関係しない」と明記されているが、二次除菌治療に関しては、使用するメトロニダゾールにアルコールの分解酵素であるアルデヒド脱水素酵素阻害作用があるため、「禁酒指導は徹底させる必要」をうたっている。このため、「もともと飲酒は悪影響があると思っていると、二次除菌治療の情報のみを記憶してしまうのかもしれない」と話している”にもかかわらず、東京薬業健康保険組合健康開発センターの職員に「ピロリ菌の一次除菌中に禁酒は必要か否か」について自分で調べて回答せよ質問したら95%が「必要」と答えたのだそうです。2/3の人は「ネットで調べて」という回答で、「インターネットは間違った情報をまことしやかに流して世論を形成する危険性がある」と論評しています。
でも、実はわたしも禁酒は必須だと思ってました。ネットで調べた経験はないけれど、ピロリ除菌治療の説明を初めて受けた時点でだれかにそう教えてもらって以降、そう信じていましたし、うちの保健師さんの多くもきっとそう信じていると思います。わたし自身、人間ドック受診者の対象者に必ず「除菌中の1週間は酒を飲めませんが、それ以外は何も制限はありません」と説明してきました。「仕事上酒は止められないから、除菌治療は無理です」と答えた受診者さんも何人かいたので、とても申し訳ないことをしました。
『禁酒が必要なのは、二次除菌。一次除菌は飲んでも構わない』ですね。覚えておきます。もっとも、”ちなみに、飲酒は一次除菌に影響を与えないばかりか、飲酒者の方が除菌の成功率が高く、また飲酒量が多い方が成功率が高くなるという報告もある(Eur J Gastroenterol Hepatol 2002; 14: 291-296)”という部分は、オフレコでお願いします。
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