処世術
わたしは父親似で、妙に正義感が強く、約束を守らない上司がいると若いころからよく食ってかかる男でした。最近、うちの職場のある若いスタッフを眺めながら、ふと若いころの自分を思い出しました。
どんなに偉い人でも、どんなに相手が目下でも、「他人との約束が守れない人は社会人として最低!」・・・融通の利かない堅物のわたしは、いつもそう思って生きていましたし、だからこそ自分もそういう生き方をすべきだとがんばってきました。
「オレはお前よりはるかに偉いんだ」「オレくらいになるととても忙しくて、急に別件が飛び込んでくることはしょっちゅうなんだから、しょうがないさ」と嘯く人も居ますが、わたしの元上司はそういう時に決してそんな云い訳を云わない人でしたし、わたしのような若造にでも素直に謝ってくれました。だからこそ、誰にも慕われる人だったわけで、わたしもそんな人になりたいと憧れた事を思い出します。
「キミの云っていることは正論だけどね、組織の秩序というものがあるからね。キミはわたしが上司で良かったよ。他の科でそんなだったら、◯◯科の××先生のように、早々にどこか他の病院に飛ばされる所だったよ」と、冗談とも本音とも取れるような事を笑いながら云ってくれました。「わたしの前ではそれで良いけれど、他のところではもう少し上手くやりなさいよ」という忠告だったのでしょう。でも、そんな上司に恵まれて生きてきた(その後に出会った上司も軒並みそんな人で)せいで、いまだにわたしは場の空気を読まずに偉い人にも食ってかかりそうになることがあります。この歳になっても社会性の乏しい人間であります。
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