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たばこと失楽園

2018年2月5日に配信されたMedical TribuneのDoctor's Eyeは熊本市民病院の橋本洋一郎先生でした。

安全なレベルの喫煙は存在しない

世の中の喫煙者の多くはニコチンやタールの量が減れば健康の害はそれに比例して減ると考えており、軽いたばこに替えたり本数を減らしたりしたのだから、あるいは加熱式たばこに替えたのだから、それで良かろうと考えているのだそうです。肺がんのリスクは1日20本から1本に減らしたら5%にまで減少するという報告もあるので、それは完全に間違いではないのだけれど、動脈硬化疾患(心筋梗塞や脳卒中)に関しては1日20本から1本に減らしてもリスクは半減しかしなかったという報告を紹介してくれています。だから、「たとえ1本でも吸えば健康リスクはかなり高い」つまり「減らしても無駄、止めるしかない」ということを脳卒中の第一人者は訴えておられます。「米国では米食品医薬品局(FDA)が加熱式たばこを認可しておらず、FDA科学諮問委員会は、IQOSが紙巻たばこ喫煙より害が少ないというフィリップモリスの主張を5対4で否定した」という報告は先日ここでも紹介しましたが、まあ、加熱式たばこにも逃げ道はないですね。

わたしがたばこを吸っていた頃、健康被害があることを承知の上で止めなかった理由は、「別に長生きはしたくないから」ということでした(今はカラダが受け付けないから吸わないけれど)。吸うなら吸うで、半端なことはしても無駄だから、止めるか吸い続けるかの二者択一をお勧めします。もっとも、1日1本とか5本とかの、昔の恋人とどうしても手を切れない人は、きっとそのうちに再び禁断の恋にのめり込んで、失楽園の結末になるのでしょうね。それもまた、佳し、かな。

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