きわめて高いHDL-C
<きわめて高いHDL-Cは心血管死リスク? EPOCH-JAPAN>
余って血管壁に残ったコレステロールを肝臓まで回収する仕事をしているので、通称”善玉コレステロール”と呼ばれているHDLコレステロールですが、最近、「HDLコレステロールは多すぎても危ない」という報告がちらほら出始めています。今回の報告は、日本の循環器疫学コホート研究の統合データベース共同研究であるEPOCH-JAPANという大規模なプール解析により、extremely highレベルの HDLコレステロールがアテローム(動脈の粥状硬化)が原因の心血管病による死亡率に悪影響を及ぼすことを示した、というものです。
「extremely highレベルの HDLコレステロール値」というのは90mg/dL以上のことを示すようです(基準値は40以上)。もともと家族性高HDL血症は数が多いだけで善玉効果はあまりない、ということは云われていましたが、それでもそんな特殊な集団を除けば、「HDLコレステロールはできたら多い方がいい」と考えられてきました。それがどうも、高すぎると冠動脈疾患および脳梗塞リスクを増加させ、これらによる死亡リスクと相関するというわけです。ちなみに、わたしの今年の職員健診でのHDLーC値は85ですが、90を越えることは10年以上前から少なくなく、2年前は102(LDL-Cは133)まで上がったのを自慢していました。たしかにCT検査の結果、わたしの大動脈と冠動脈は石灰化だらけであることが分かっています。ちと凹みます。しかも、『extremely highレベルのHDL-Cのリスクは、現飲酒者でより顕著であった』という報告もご丁寧に付け加えられていました。摂取エチルアルコール濃度とHDL-C値は直線的な正の相関関係にあることは遠い昔からの常識で、。「酒は飲めば飲むほど”善玉”を増やす」と教わってきた(”健診は語ってはいけないタブーのデータ”)というのに・・・。
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