街並み
熊本地震からもうすぐ2年。揺れることもほとんどなくなって、平穏を取り戻しつつある我が家の周辺を散策していると、ちょっと新しいことに気づき始めました。
先日の東日本大震災の7年目の日、あちこちで流れた津波の写真や動画がまるで昔の記録映画のように見えたのと同じように、あのこの世のものとも思えないほど歪んでしまった熊本の風景もまた、写真で再現されてもあれが夢だったかうつつだったかすら自信がなくなってきている昨今です。
そんな中、多くが更地になり、向こう側にあって見えていなかったものが現れてぎょっとしたり、いつも目印にしていたビルが無くなって目的地にたどり着けなくなったりした時期を経て、再び今、街が変わろうとしています。まだまだ取り残されたままのブルーシートの家(まだ順番が回ってこないのか、補修を放棄しているのか)がある一方で、更地に少しずつ家が建ち始めています。そこにある風景は、もはや一年前のものとも二年前のものとも違う、みたこともない新しい景色。それだけ前に向かって前進していることだと思えばいいことなのでしょうが、何か原風景が壊されたような、そのまま自分の辿ってきた人生の一部が侵されたような、そんな変な気分に苛まれております。
「えーこここんなに変わったの?」などと、久し振りに遠くまでの散歩に付き合ってくれた妻が何度も叫んでいましたが、日に日に変わりゆく街並みの中で、少なくともこれが、仮住まいではない本当の日常である状態に早く戻れるように祈るばかりです。
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