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花冷え

春に近づくときに必ず訪れる花冷えの時期。昼間は暖かくて長閑だけど、かえって朝夕の冷え込みが身に沁みる、そんな季節。それがこれから約1ヶ月の期間です。そうそう、2年前の熊本地震の時にも寒い中をダウンジャケットを二枚重ねて逃げ惑ったのを思い出します。

そんな季節には、他にも必ず思い出す切ない空気感があるので、毎年思い出してしまいます。大学受験に失敗して福岡の予備校に入学手続き。バスで片道1時間の地にあった予備校指定の古びた三畳一間の下宿屋さん。生まれて初めての一人暮らしで、薄暗い部屋の中はいつまでも裏寒かった思い出。大学を卒業して地元の大学病院で研修医をするために借りたアパート。日当たりのいい部屋だったけど、やっぱり独りぼっちで自室は冷え冷えしていました。そして新婚で東京に出てきた春。石神井の真新しいアパートに着いた日はまだ荷物が届いてなくて、「春だというのに寒いなあ」と部屋の中でオーバーコートの襟を立てて二人で夜を過ごした思い出。新しい生活と花冷えはいつも同居していて、知らない人の中で、期待より不安の方がはるかに大きかったあの頃・・・悪い思い出は何一つないのになんかどれもセンチメンタル。

うちの職場は数年前から定年が65歳に引き上げられましたから、わたしの定年ももうちょっと先延ばしされましたが、四月生まれのわたしは定年退職を迎えるときもきっと花冷えの季節なのだ(誕生月の月末が定年です)。今度の花冷えは、若いときのようなセンチメンタルとは全然違うものになるんだろうな。

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