電子たばこと脂肪肝
先日も、「もうたばこは止めたもんね。タールが入ってない電子たばこに変えたけん心配ないわ」と胸を張って云っている受診者さんがおりましたが、いまだにそんなこと云っている人がいるのが不思議。タールがカットされて肺がんの率が少し下がったとしても、ニコチンを初めとする化学物質はさほどの減量効果がなく、むしろ慢心と目に見えないエアゾルで周りに曝露させる分、紙巻きたばこより害は酷いのではないかというのがほぼ通説になった昨今。
それが、脂肪肝の方向で責めてこられたのはちょっと意外でした。動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、認知症、肺気腫などの方向で責めてくると思っていたからです。
米・Charles R. Drew UniversityのTheodore C. Friedman氏らが発表した報告(第100回米国内分泌学会、ENDO 2018、3月17~20日、シカゴ)によると、マウスを「血中ニコチンレベルが喫煙者および電子たばこ使用者と同程度になるまで電子たばこのエアロゾルに曝露させた」群と「生理食塩水のエアロゾルに曝露させた」群とに分けて観察したところ、「電子たばこに曝露されたマウスにおける脂肪肝の発症や進行に関係する433の遺伝子変異が見いだされ」、「概日リズム(体内時計)に関係する遺伝子変異も発見」された(概日リズムは、脂肪肝を含む肝疾患の発症を促進)そうです。
ま、こういう研究は枚挙にいとまがなくなるでしょうが、『たばこの害』の報告と同様に、きっと、吸いたいヒトと売りたい人はあえて耳を閉ざすのでしょう。
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