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かかりつけ医(前)

久しぶりに書いてみました。殴り書きなのでちと文章はおかしいけれど・・・コラムの締め切り間近になると、相変わらずこうやって逃避する(笑)

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先日、人間ドック利用者の男性から相談を受けました。最近、胸痛発作がよく起きるようになり、運転中にガマンできないほどの痛みがあってたまらず救急外来を受診したそうです。後日改めて循環器外来で検査と診察を受けたけれど「特に異常はない」と云われ、自分は逆流性食道炎ではないかと思うが胃カメラは異常はなかった。その後も2、3分続く胸痛発作が頻回にあるので、どうしたものかと困っているというのです。

最近、よく思うのですが、こういう相談をする相手がいなくて”診療難民”になっている人が少なくありません。患者さん(病院受診しないと「患者」ではありませんが)は、自分の症状について自分でインターネットで調べたりテレビの健康番組でみた知識を元に、自分の病気を自分で想定して何科を受診すべきか目星を立てるようです。どうせ受診するなら優秀な、評判の良い専門医に診てもらいたいとばかりに大きな病院を受診しますが、専門医は自分の領域の病気でないことを確認すると、「他をあたってくれ」と追い返すだけ。それでは次にどこに行くべきか、また自分で調べて行ってみる。そして「うちの領域の病気ではなさそうだ」とだけ告げられて追い返される。その繰り返しの中で、途方にくれるわけです・・・いつの頃からか、患者さんもお医者さんも、みんながこんな感じの付き合い方になってしまいました。

むかしは、必ず子どもの頃から診てもらっている町のお医者さんがいて、とりあえず具合が悪いとその先生に相談に行って、それならどこどこの専門に診てもらいなさいと紹介状を書いてくれたり、それが問題なかったらじゃあ次はあっちの医者へ紹介しようとか、しばらくは自分が診てあげようとかして、患者さんの悩みが解決できるまでいろいろ思案してくれる医者がいたものです。それが『かかりつけ医(ホームドクター)』。核家族化して、専門医信仰が蔓延る中で町医者の地位が下がり、「どこにかかるかは病気に合わせて自分が決める」「分からなければネットで調べる」・・・そんな風潮が当たり前になってくるうちに孤独な難民患者が増えているのが現状。(つづく)

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