病院行ってもねぇ
「甲状腺が大きいしいくつか気になるのう胞もあったみたいだから、やはり定期的に専門病院を受診した方がいいですよ」
毎年職場健診として人間ドックを受診してくれるアラフォー女性の受診者にそんなアドバイスをしたら、「昔は通っていましたが、毎回行っても、検査を受けて『問題ないですね』と云われるだけなので、だんだん行くのが面倒くさくなっていたんですよね」と、正直な本音を答えてくれました。だから、放ったらかしていたらがんになってしまった私の妻の話を敢えてしてみました。「妻も同じことを云って面倒くさがって行かなくなったんですよね」というわたしの顔を気の毒そうに見つめて「へえ」と云いましたが、「でも、病院に行っても、どうせねぇ」とお茶を濁しながら診察室を出て行きました。
そうなんです。この女性のやや伏し目がちに苦笑いした顔をみながら、これが真実なのだと思いました。「先生の奥さんの話は気の毒で、そんな事はあり得るのでしょう。でも、そんな事は滅多にあることではない。毎年受診した方がいい事は分かっているけれど、行ってもどうせいつもと同じように『変わりないですね』と云われるだけなのだ」と思っている。それなら、せめて2、3年毎に受診したらいいのではないか、と傍観者は思うのですが、そんなものではない。「毎年受けなくても良いから、2、3年後に受けてください」と云われるのが一番中途半端で厄介。まず、1年後なら覚えていられるが、2年、3年と経つと今が何年目か忘れてしまうもの。そして、「2年後か3年後で良い」という言葉は「多分何も起きないだろう」というメッセージである事を当事者は実感しているからです。
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