少しくらいなら?
「『結局、お酒を止めることが必要なんですね』と聞いたら、わたしの主治医の先生は『あなたの場合は止めるとストレスが溜まるでしょ? 少しくらいなら飲んでもいいですよ』って答えてくれたんですよ」 ・・・先日の人間ドックで膵のう胞を外来フォローしてもらっている受診者の方がそんな話をしました。
医者って、ほんと、簡単にそんな云い方をしますね。なんか「人間味のある洒落た云い方ができたかな」って自分で悦に入っているんじゃないのかしら。でも、その医者はきっと大して酒好きではないことが読み取れる。なぜなら、酒飲みにとって、その”少しくらいなら”が大きな足かせなのですよ。医者が思っている”少し”がどの程度なのかが、自分の尺度では推測しきれない。「止めるとストレスがかかる」ような酒飲みにとって「少しで止める」ということが本当にストレスを溜めない方法なのかも疑問。本来、”適量”というのは、”ほろ酔い気分になれる一歩か二歩手前=あと一杯ほしいなというところで止める”というレベルですから、これは酒飲みにとっては生殺しもいいところ・・・よほどのアル中でない限り、「そんな仕打ちを受けるくらいならいっそ全く飲まない方がはるかに楽」と思っているヒトも少なくないはずです。
ゴルフやテニス好きな人が、「頑張りすぎずに楽しむ程度ならやっても良いです」と主治医に助言をもらったところで、何の励みにもならないというのと同じ。本当のゴルフ好き、テニス好きは、ちゃんと結果を出したいから、きちんとプレイしたいから、あるいは相手に負けたくないのだから。「形だけ道具を持って現場に行ければほどほどに気が紛れる」と思っているのは、そんなことに興味がない医者や看護師の机上の空論ですわ。
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