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虹が見える!

先日の夕方、日課の愛犬の散歩をしていて、公園の前の交差点で信号待ちをしていました。お利口にお座りをして私の顔を眺める愛犬と時々目を合わせながら、目の前の信号を凝視していたら、一緒にいた妻が「わあ、きれいな虹が出てるよ!」と云って持ってきたカメラを構えていました。「え、虹? どこ?」と東の空に目をやると、たしかに大きくて太い虹がくっきりと出ていました。

あんなに大きくてはっきりとしているものなのに、妻に云われなかったら、絶対に気づかなかった・・・そのことにちょっと衝撃を受けました。別に物思いに耽っていたわけでもなければうつむいていたわけでもない。私は散歩中はできるだけ胸を張って前を向いて歩くように心がけています。なのに、全然気づかなかった。なんか、とても損をした(というか得をした)気持ちになりました。自分の人生の中で、すぐ横に存在しているのに自分の視界の中に入り込んでないために全く気づかずに通り過ぎてしまうことなんて、数え切れないほどあるのだろう。気づいていたら全く違う行動を起こして全く違う人生を送っていたかもしれない。今回、それを気づかせてくれたのは妻。逆のこともあるでしょう。そんなことを思うと、人生をひとりで歩んでいても得るものは限られていることに気づかされます。多くの仲間や家族や友人たちの中に一緒にいる方が、凝り固まった考え方や見方ではないものを得ることができるだろう。各人各様が皆同じ方向を一心不乱に向いていたのでは同じモノしか見えない。でも、各々があちこちよそ見しながらアンテナを張り巡らしていたら、全く違った目で全く違う情報を得ることができる。

そんなことを考えていたら、せっかくの虹だったのに願い事を祈るのを忘れました。

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