将来の夢
小学校時代の還暦同窓会を開催する気運が急に高まり、今月末に開催されることになりました。わたしは中学から地元を離れたので、なんと半世紀ぶりに会う人ばかりです。そんな中、「卒業の時に文集を作ったよね」という話になり、その文集に『将来の夢』を書いたことを思い出しています。
わたしはたしか、『パイロットになる』と書いたはずです。「将来の夢とか特にないなあ。きっと普通のサラリーマンになると思うなあ」と云ったら、「男の子なんやからもっと大きな夢を持たんね! わたしは、パイロットになって世界中を飛び回る人になってほしいわ」と、母が云ったのです。だから、「将来の夢はパイロット」と書いたのです。子どもの頃からわたしは”超”が付くほどの高所恐怖症で、田舎の小さな川にかかった橋の上から下を見ることもできなかったというのに、です(笑)
「高所恐怖症なんてなりたいという想いが強ければ鍛えて克服できるものよ」と母は豪快に笑い飛ばしましたが、その後も高所恐怖症はひどくなることはあっても軽くなることはありませんでした。最近は少し軽くなった気もしますが、これは歳を取って若干鈍感になったせいではないかと思います。飛行機の窓から下を見ても全然大丈夫になりましたが、阿蘇の山越えをしているときに眼下に広がる町並みが目に入った瞬間から眩暈と動悸に襲われて生きた心地がしません。崖側の目をつぶって前だけ注視して早くその場を通り過ぎるのが常であります。
あのとき、母の夢だった『パイロット』を自分の将来の夢として書いたわたしは、もちろんパイロットなどには到底なれず、あの時ココロにもないことを書いたのを少し後悔しています。まあそれでも、子どもの頃の夢なのだから、『ただのサラリーマン』と書くよりは良かったのかもしれません(結局今は広い意味でのサラリーマンですけれど)。
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