健康無関心層と健診
健診機関での永遠のテーマは精検受診率が上がらないこと。精検受診率というのは、健診や人間ドックで精密検査や治療が必要だと判定されて紹介状をもらった人がちゃんと医療機関を受診するかどうかの割合ですが、がん関連が80%程度、生活習慣病関連が40%程度、併せて60%程度が関の山です。これを高めるために、どの施設もいろいろ工夫してアプローチするのですが、なかなか思うようにいかないのが現実。
先日、次年度の事業計画を相談する会議がありまして、そのことが話題になりました。やってもムダなら、もうそれに労力をつぎ込むのは止めた方がいいのではないかという意見が出始めました。特に法定健診だけを受けにくる人たちは、受けたくないけど受けないといけないから受けているだけの人たちが多く、受診を勧奨しても無視したり電話に出なかったり、「もうかけて来るな」と叱ったりする。まさしく”健康無関心層”の代表です。
「それは本末転倒です。本当は気にしている人とか、受診したいけどどこに行っていいのか分からないとか、病気が見つかると仕事を辞めさせられるかもしれないと不安になっているとか、そういう人がたくさんいるのです。それを地道に説得して1人でも多く受診してもらうのが予防医療の使命でしょ」と保健師さんは抵抗します。でも、彼らの多くは実は”健康無関心層”だから、自分が病気だとは思ってないし、世の健康情報は信用できないし、そもそも興味がないのだと思います。
云い過ぎですか? まあとにかく、まずは自分の健康に興味があって自らの意志で申し込んできた人間ドック受診者の精検受診率を上げることから始めましょう。
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