健康無関心層とインセンティブ
わたしが応援する地元のJリーグチームが、今年頑張って3度目のJ1昇格を決めました。このチームを応援するために今年も足繁く山越えしてスタジアムに通いました。そのスタジアム内を歩いていると、『おおいた歩得(あるとっく)』という文字が妙に目に付き始めました。
スマホに無料アプリをダウンロードして、日常の歩数や健診受診、健康イベント参加などをするたびに健康ポイントがゲットでき、それを溜めると県内300の協力店舗で何かをもらえる特典キャンペーンがあるという仕組み。仕掛け人は大分県。『めざせ!健康寿命日本一おおいた』という取り組みの一環の様です。
これを見ながら、先日日本心臓リハビリテーション学会の話題で紹介した、『健康無関心層』のことを思い出しました。”健康長寿”なんてほとんど興味のない連中をどうやって引っ張り出すか。それのためにどこの自治体でも何がしかの取り組みはやっています(わたしの居住する熊本にも『くまもとスマートアプリ』というのがあって歩数を他者と競争したりできます)。でも、残念ながら、金をかけずにやろうとするので、どうしても健康無関心層を取り込めません。やったことでのインセンティブが何もないのです。「これをしたら簡単に健康を手に入れられます」という特典では飛びついてくれません。それに対して、『おおいた歩得』は協賛企業が多数あって、何かとちまちま商品をくれるみたい。コンビニ大手のセブンイレブンが絡んでいるからお茶とかポカリとかのキャンペーンもある・・・歩くだけでただでモノがもらえるのですから、ちょっとやってみる価値はある。そんな気持ちにさせる取り組みだと感じました。しかも、このアプリをダウンロードする時点で、興味がなくても県の健康長寿のホームページを開けざるを得ないというのも面白い。
こういう自治体と企業が広い範囲でタイアップする風土作りが大切なのだということを筑波大学の久野譜也先生がしみじみ話していたなぁ、と思い出した次第です。
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