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ご褒美?

「先生、わたしはこれから食事を作りすぎずに良く噛んで食べることにします。それを実践できたら、週に1回くらいはご褒美として何か好きなものを食べてもいいですかね?」・・・先日人間ドックを受診された妙齢の女性からそんな質問を受けました。答に困ってコトバを選んでいたら、 「やっぱり、1週間1回は多すぎますか?」と畳みかけてきました。

いや、そうじゃないんです。「1ヶ月に1回は自分へのご褒美として大好きなモノを好きなだけ食べたりする」とか云う人たくさんいますけどね。1週間1回が多すぎるとかそういうことじゃないんです。

「頑張っている自分へのご褒美が要る」という発想がおかしいんです。『ご褒美が要る』ということは、『日頃ガマンしている』ということなわけで、それでは楽しくない。ガマンとか、ご褒美とか、そういう概念の中に食事療法があっては意味がないんです。『ロカボ』を提唱する北里大学の山田悟先生も学会で強調していましたが、そうすることが当たり前で、日常の食事時間が楽しい空間になりさえすれば、”ご褒美”なんて必要なくなるんです。”食事制限”とか”食べたいモノをガマンする”とかそういう考え方で食事を捉えないようにしましょう。大好きなモノを食べれば良い。食べたくないモノは食べなければ良い。ただ、おそらく量は自分で思っているほど必要ではないから想定の半分にしてみよう。物足りないと感じたら満足いくまで噛み倒しましょう。味わう行動が加わると物足りなさは絶対になくなります。そうやっていると、毎日の食事の時間がもっと楽しみになるから、そうしたら別に”ご褒美”なんか欲しくなくなります。

そう、伝えたかったのです。これ、経験してみないとわからない感覚です。理屈では理解できないはず。でも、くだんの女性は取り組む気持ちになっているのだから、是非やってみてほしいと思うのであります。

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