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理論と感覚

「わたしは実体のない感覚的なものは信じません。理論に合わないものは信用できない主義です」

あるパーソナルトレーナーさんにそう云われた、と知人が話しました。スピリチュアルな施術や漢方などでよく行われるOリング検査やわたしの通っていた整骨院の院長が好んでやっていたペインシフト法とかが、その“感覚的なもの”にあたるのでしょう。

医療関係者の中で、こういう”感覚に訴えるモノ”を否定する人は、理学療法士さんや整形外科の先生には多く見受けられます。くだんのパーソナルトレーナーさんなどは、その”理にかなった説明”が納得できるから通っているという人も多いようで、予約枠はいつも満杯だそうです。

ただ、わたしが内科医だからでしょうか、人間のカラダは化学や物理だけでは解決できないことがたくさんあると感じています。もちろん、科学というもの、化学でも物理の世界でも万物すべて法則に従って動いており、一つの例外も認められないということは十分理解できますが、そもそも痛みの制御が整形外科や理学療法の基本なのである以上、炎症が取れて理論上完治していても「痛くなくならない」ことは珍しくないし、蝶番が破壊されているのに「痛くなくなった」と喜んで飛び跳ねる連中も少なくない。「こういうのは理に叶ってないから納得できない」と突っぱねる人は施術者にも受診者にもたくさんいるのでしょうが、わたしなんか、理屈はどうであれ痛くなくなればそれで十分だ、と思っている人種です。

これは、わたしが内科医だからというのではなく、わたしが長い人生の中でいろいろガタがきたカラダと付き合ってきた成れの果てだからなのかもしれません。

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