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食事療法の見直し(1)

年末にCareNetから配信された日本糖尿病学会の『食事療法に関するシンポジウム』の報告記事<食事療法の見直しへ日本糖尿病学会が動き出す>を痛快な気持ちで読みました。

これまでの糖尿病治療に対するアンチテーゼが提案されていました。全部は紹介できないので、面白かったコトバだけコピペしてみます。

●宇都宮 一典氏(食事療法に関する委員会委員長):「これまで、標準体重を基に一律に総エネルギー摂取量を設定してきたが、エネルギー必要量には個人差が著しく、個々のさまざまなデータ(脂質、血圧など)の改善度を評価し、順守性もみながら設定すべき」
そもそもBMI22を基準にする根拠がない。国際的には、下記のようなエビデンス。
1)患者の死亡率が低いBMIは20~25の幅があり、また、75歳以上の後期高齢者の場合、そのBMIは25以上
2)体重が増えるほど消費エネルギーは増加し、肥満者ほどエネルギー設定との乖離が増す

●勝川 史憲氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター):「糖尿病患者のエネルギー必要量は健康な人と差がない、もしくは5~6%程度高め」であり、「現在の過少なエネルギー処方が、減量の不良や高齢者の虚弱に繋がる」可能性がある。
「太った人の食事調査ほど当てにならない」ともコメント。
「戦後間もない時代はMサイズの卵が80kcal/個だったのが、現在は同サイズが100kcal/個へと大きくなっている」というコメントも面白い。

(つづく)

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