価値って何かな?
あの2度めの大地震で家の中のものが何もかもグチャグチャに倒れ込んでしまった義母の家に入り、倒壊するのではないかとヒヤヒヤしながら中のものを引っ張り出して、要るものと捨てるものに分別作業をしたとき、わたしは大量のモノを捨てさせました。
「お義母さん、この布団セット、捨てますよ!」
「それはとても高価な良いものなのよ! だから大切に仕舞っていたのよー!」
「でも、何十年も使ってないんだから、もう二度と使われることはないと思いますよ。こんなのが家の中に大量にあったら、今度また同じような地震が襲ってきたときに確実に下敷きになって死んでしまいますよ。思い切って、この機会に捨てましょ!」
そんな戦いの末、とても悲しい目をして頷いた義母でしたが、今では以前以上に大量のモノを買い込んで荷物の山の中で生活しています。
そういえば、我が家も、東京に住んでいた頃にバブルの機運に任せて買った高価な外国食器の数々・・・大切に仕舞っていたらあの地震で半数以上が割れてしまって使うこともないまま処分しました。日頃使っているコンビニの景品のような食器はどれひとつ割れていないというのに。
テレビで、高名な作家が作ったという湯飲みや器が何百万円もの価値があり、「とても良いものですから大切に保管してください」と専門家たちが色めき立って話しているのを眺めながら、「あの食器を作った人は、誰かに使ってもらうために丹精込めて作ったんじゃないんだろうか。いかに使いやすいかを考えて試行錯誤を重ねながらやっと満足いくモノを作り上げたというのもあっただろうに、それを後生大事に箱に収めて仕舞い込まれたんじゃ、報われないよな」と、ついつぶやいてしまいました。
使ってこその価値・・・我が家にはお宝になるような高価なモノがなくて幸せでございます。
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