超当たり前のことではあるけれど。
第83回日本循環器学会学術集会が3月末に開催されたばかりなので、吹田研究を用いて心房細動になりにくい理想的な生活習慣を割り出した国立循環器病研究センターの報告を紹介します。同センターでは2年前に心房細動罹患予測確率を計算する吹田心房細動リスクスコアを開発しており、今では臨床現場では広く使われています。
理想の生活習慣の因子別による心房細動罹患調整ハザード比(95%信頼区間)の結果だけ抜粋して転記します。
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- 健康的な食生活:「大豆製品(豆腐換算で半丁/日程度以上)」「野菜300g/日以上」「魚5回/週」「減塩(6g/日未満)」「清涼飲料水を控える」の5項目のうち3項目以上満たした場合、0.51(0.30~0.85)
- 健康的な身体活動:「3階に上がるときに階段を利用する割合」が6割以上ある場合、0.72(0.53~0.98)
- 健康的な睡眠時間:「6時間以上」で0.77(0.59~0.99)
- タバコを吸わないこと:0.71(0.53~0.95)
- 適正飲酒以下(男性:1合/日以下、女性:半合/日以下):0.61(0.44~0.85)
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上記5項目のうち、0~1項目しか満たしていない人を基準にすると、3個満たすと心房細動発祥リスクが3分の1に、4個以上満たすと4分の1に減るのだそうです。
「心房細動なんて他人事」「心房細動なんて病気、聞いたこともない」と思っているあなた。現代社会ではとても多い不整脈であり、脳卒中や心不全を引き起こす危険性が極めて高い病気だと云うことをこの機会に知ってください。「心房細動にならないために人生を送っているわけではない!」と思いながらも、よく読んでみると大したことは書いてないから、普通に今すぐにでもできることばかりですし、いわゆる”生活習慣病予防”の項目と何ら違わないわけで、「大層な話ではないな」というのがわたしの正直な印象です。
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