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じいさん医者を励ます会

先日、久留米で行われた循環器病予防学会+臨床高血圧フォーラムに行ってきました。とても面白く興味をもって2日間勉強してきました。

2日目のランチョンセミナー『知らんぷり高血圧の撲滅』をされた旭川医大の長谷部直幸先生のお話の中で、印象に残ったのは(もちろん講演内容は全部印象に残っています。高血圧の基準が引き下げられても世論や患者さんの顔色見ることなく、躊躇せずにしっかりと降圧を目指して厳しい診療をしてください!という内容)、「女医さんの方が男性医師が診るより降圧成績が有意に高い」という事実です。

高血圧症の治療について、男性医師が診るよりも女性医師が診た方が降圧成績が良いというデータは、なぜなのか? 長谷部先生は先生なりの考察を加えていましたが実は理由は不明のようです。女性の方が情に流されずにガイドラインに忠実に厳しく治療をする人が多いからなんじゃないの? 厳しく、「~すべきです」っていう人が多いからだとわたしも一瞬思ったのだけれど、それがイヤなら受診しなくなるはずだし、陰で捨てる人も増えるはず。それでも通院して改善しているのだから、男性よりコミュニケーション力が本当にあるのかもしれません。

それはそれでいいとして、「男性医師より女性医師が良い」かつ「高齢医師より若い医師の方が治療成績が良い」のだそうですよ(むかし、わたしがまだ若造だったころは「若いのは頼りにならないからやっぱり診てもらうなら経験のある年配の医者がいい」と云われ、「こんな若造に指示なんかされたくないわ」などと治療を拒否られたものですが、今は違うらしい)。「じいさん医者は存在価値まで疑われて立つ瀬がない」のが実情なのだと長谷部先生も嘆いていました。わたしもまさしくそんな一人であります。「若い先生には、Young Investigator's Awardなど、優秀な研究者に与える賞があるんだから、じいさん医者にもがんばった者を表彰するAwardもあっても良いのじゃないか」「”若手医師を励ます会”があるならむしろ”じいさん医者を励ます会”も作ってほしい」という、冗談とも本気ともつかない先生のコメントに、独りで相づちを打ったのであります。

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