老夫婦
日本心臓リハビリテーション学会に出席するために今日は早朝から新幹線で大阪まで行きました。
朝7時の新幹線改札後のベンチに座ってコンビニのにぎりめしを頬張っていましたら、目の前を足早に老夫婦が通り過ぎていきます。リュックサックをからって(「背負って」が正しいらしい)前を颯爽と歩くのは奥さん。その5メートル後を足を引きずりながら重い手提げを二つ抱えて前のめりになって必死に追いかけるのは旦那さん。
いずこも同じ夫婦の姿。うちも若い頃、いつも前を歩いていくのが妻で後ろから見失わないように必死で追いかけるのが私でした。一度、街中でそんな姿を職場のスタッフが見つけて、「ほほえましい姿」と云ってくれましたが、妻はそれを恥ずかしがってそれ以降横を歩くようになりました。
ただ、この旦那さんはかなりのお歳のように見受けられ、歩くのも必死のようだから、急いでいるのだろうけれど「奥さんもう少し歩調を合わせてあげればいいのに」と他人事ながら気になりました。ところが、かなり前を歩いていた奥さんが電光掲示板を見上げながらおもむろに立ち止まり、それから後ろを振り返って旦那さんの手を取って今度は長い新幹線ホームに続くエスカレーターにエスコート。自分より前に旦那さんを行かせて、仲睦まじく私の視界から消えていきました。
旦那さんは足が不自由だから、「自分がリードしなければ」と少し前を歩いて下見していたんですね。基本的に、年を取れば取るほどに女性の方が元気になり、男はどんどん置いていかれます。「うちの夫は家では何もしないから」と云われていたのが、さらに進んで「うちのじいちゃんは何もできんから、私がしっかりしなければ」と万事抜かりなくプロジュースするのが高齢女性の姿。ありがたきことです。
いつの世も、女性が世界をリードする。男は偉そうに祭り上げられながら女性の掌の上で虚勢を張る。これが一番平和な姿なのでありましょう。朝早くから、良いものを見させていただきました。
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