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わかりにくい説明

「先生の説明は、ものすごくわかりにくいですよね」

ある人間ドック受診者の女性に結果説明やら生活のアドバイスやらをしたときに面と向かってそう云われて、心がうちひしがれそうになったことがあります。日頃、「先生の説明はとても具体的でわかりやすい」と云われることの方が多かったので、「先生の説明は具体性がないから、一体何をしたら良いのかわからない」と云われて困惑しました。概念論ばかり話されても・・・「結局、これを良くするためには、何を食べてどんなメニューの運動をどの程度したらいいんですか?」という不満だったのだろうと推測します。

「結局、わたしの当面の問題点はこれとこれで、これに対して治療するほどではないけれど食事を良く噛むってことですね」と自分で整理して総括する人もよくいますが、「ん~、必ずしもそういうわけじゃないんですよね~」とひねくれ者のわたしはよくいちゃもんを付けます。「それをしたからといってうまくいくとは限らないんです」と云うと、「じゃあどうしたらいいんですか!」と逆ギレされたこともあります(笑)

よく外来でとても教科書的な簡便な指導をする先生がいますが、たぶんあれは、自分でやったことのない者の最低限の知識(「こんなこと医者がする仕事じゃねえし」とか思っているかも)で話すからそうなるのであって、自分でいろいろ経験したり、あるいはいろんなパターンの人に指導をした経験値が多くなればなるほど、物事はそんなに簡単じゃないと云うことを知っているから、なかなか紋切り型の云い方はできないものです。もっとも、どこぞのカリスマ講師やカリスマトレーナーさんはもっともっと明快で簡潔な指導をします。自分のやり方に自信とポリシーを持っているからでしょう。自分のやり方でうまくいかない場合は、「相手が自分の指導通りにやってないから」と云い切れる人。それはそれで正しいのかもしれないけれど、世の中の多くの人はそれが単純で厳しい決め事であればあるほど続けられないものなのです。少なくともわたしは、「自分の云う通りにやったら絶対に改善します」と云い切るだけの自信はございません。「わたしの場合はこうやったらうまくいったよ」という駒はたくさん持っていますが、それを他の人がやったってうまくいくかどうかわからないし、続けられるかどうかもわからないのだから、そんな話をして責任を取るようなことはしたくない。だから、わたしのやり方はわたしだけの奥義として他言無用と位置づけております。

 

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