専門医制度
今では、当たり前のように医師には専門医制度があって、それを取得できて初めて「その分野では一人前」と認めてくれるという感じになっています。でも、実は偉そうに『循環器内科医』です!と名乗っていますが、わたしは専門医資格を持っていません。日本循環器学会にも日本心臓病学会にも所属していますが、専門医資格は持っていません。
ちょうど30年弱前、『専門医制度』が発足する頃、過渡期にすでに循環器を専門に働いていた医師には、決められた書類と実績を提出すると特例で資格を付与される時期がありました。わたしにもその資格はあったのですが、ちょうどそのころわたしは東京の放射線科に内地留学の形で勤務していて、その詳しい情報がもらえなかったこともあり一切の手続きをしませんでした。所詮、専門医資格をもらったところで、学会の金稼ぎと格付け競争でしかなく、将来開業するとかどこぞの教授になるとかそういう野心がない限り意味はなかろうと思いました。その後、新たに試験を受けて専門医資格を得るためには、まず内科学会の専門医資格がいると云われ、そもそも内科学会自体に入っていない(研修医時代の助教授や講師が口をそろえて「そんな学会に入っても会費が高いだけで意味はない」と云われていたもので)ので、すべてを断念したという次第。
たしかに、わたしに専門医資格がないのが昇級の障害になったという話も聞きましたが、それ以外には特別困ったことはなく、日々粛々と心電図判読をしたり、心臓発作の緊急時対応を悠然としたり、別に肩身の狭い思いはしておりません。ただ、冒頭で書いたように、何かに付け専門医資格の有無を聞かれ、それがないと”うさんくさい医者”(資格もないのに専門面している、みたいな)みたいに見られることも時々あるのがちと気にかかる今日この頃であります。いいんだもーん。「資格がないと心電図判読させない」と云われたら、即辞めてやるんだも~ん(笑)
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