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野菜だけ食うと脳卒中になる?

肉や魚より菜食で脳卒中リスク高

"英・University of OxfordのTammy YN. Tong氏らが行った前向きコホート研究The EPIC-Oxford studyによると、肉食の人に比べ魚食と菜食の人は虚血性心疾患リスクが低いことが分かった一方、野菜食の人は出血性脳卒中などのリスクが高いことが明らかになったという(BMJ 2019; 366: 14897)" (Medical Tribune 2019.910配信)

イギリスのデータではあるが、こういうデータが独り歩きすると『野菜だけ食っていると血管がもろくなって脳卒中が増えるから、ちゃんとタンパク質は取るべきだ』という意見が幅を利かせるようになるのが常。でも、検討結果をよく読むと、肉食群と比べた魚食群および菜食群の虚血性心疾患と全脳卒中それぞれの発症リスクでは、虚血性心疾患のリスクは魚食群とともに菜食群でも有意に低下しています。また、出血性脳卒中の発症リスクは菜食群だけでなく魚食群でも肉食群より増加しています(ハザード比:魚食群1.14、菜食群1.20)。結局、『心臓には魚や野菜、脳には肉が良い』という話になって、『物事、極端はよろしくない』ということになってしまうのかしら。日本には厳格なるヴェジタリアン(ヴィーガン)はあまりいないと思いますが、なんか、この検討結果、もしかして対象が狩猟民族であるイギリス人だからというだけなんじゃないか?という疑問も湧いてきて(農耕民族である日本人なら逆の結果だったりして)、正直なところ「参考程度に聞き流そうかな」という気分です。
 

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