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『ココロの体力不足』

最近とても遅筆になってギリギリまでかかった連載コラムの原稿・・・やっと今日発行されました。男性更年期(LOH症候群)のことを書こうと思って書き始めたのに、なんか自分のグチになってしまいました。

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『ココロの体力不足』

「ヒトは、あきらめた時と面倒くさくなった時から一気に歳をとり始めるので、毎日負けずにがんばりましょう!」

これが人間ドックの結果説明時に〆として使う私の決め台詞なのですが、最近そんな私のココロの体力が低下してしまって、何をするのも面倒くさくてたまりません。その気になればちゃんとできるのが自慢でしたが、まったく“その気”になれないのです。みるみる出てくるお腹をさすりながら、「まあ還暦過ぎたオヤジならこんなもんじゃないの?」「同世代の中ではがんばっている方だと思うよ」と自分を納得させるわけです。腰回りに切れがなくなったことよりも、自らのゆるゆるのココロに喝を入れられなくなった自分が情けない今日この頃です。

やる気スイッチに一番影響を与えるホルモンがテストステロンだと言われています。テストステロンは男性に多く、男らしさを引き出すので“男性ホルモン”とも呼ばれていますがもちろん女性でも作られますし、最近は女性の方が多いのではないかと感じることもあります。このホルモンは、冒険(新しいことへのチャレンジ)、社会性(縄張り意識)、競争(順位や達成感)に関与し、“社会の中の自分”を意識させるホルモンなので、ボランティア活動や寄付活動をしたり、公正・公平の気持ちが増してインチキや嘘つきを許せなくなったりするのが特徴です。おそらく、巷にはびこる“煽り運転”や常軌を逸した“クレーマー”の本質はこれ・・・独りよがりな正義感のもと、「私が神に代わってお仕置きしてやる!」と大義名分をかざす・・・これは明らかにまちがったテストステロンの表れ方です。一方で、あの赤鉢巻きのスーパーボランティアさんの献身的な活動こそがテストステロンのなせる技の典型なのだと思います(ちなみに、赤色はテストステロンを増やす色として有名です)。

そして、このホルモンが減少すると意欲が低下し集中力がなくなり、チャレンジする気が失せ、人間関係そのものが億劫になり、認知機能が低下したり動脈硬化が進んだりします。それはまさしく最近の私。“丸くなった”“心が広くなった”と言われてほくそ笑んでいましたが、それはつまりテストステロン減少の表れでしかない・・・煩悩の誘惑にココロを揺さぶることもなく、理不尽な仕打ちに報復する気にもならないというのは、それはそれで「人間としてどうよ?」という複雑な気持ちになります。

『元気潑剌と生きていきたければ、煩悩の渦の中でもっとワクワクすべし!』・・・どなたか、萎みつつある私のココロを再びメラメラと燃え上がらせて何かせずにはおれなくさせる、そんな妙薬をご存じありませんか?

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