くすぐったくない
先々週、うちの職員健診で若いスタッフの診察をしていたらある若い看護師の男性がすごい不機嫌な顔をして「私ダメなんです」とクビ元の触診を拒否しました。先週は、ご高齢の女性が突然ケラケラ笑いながら私の手を振り払い、「こそばいい!」と叫びました。
そう、最近は、老若男女を問わずクビを触ってもくすぐったがらない人ばかりです。だから、久しぶりに露骨な反応をされてたじろいでしまいました。5年前にここで書いた(「くすぐったい?」)のを思い出しましたが、この5年間でその傾向はもっと明確になった気がします。クビ元の触診は「いい加減で形だけしている医者がいる」というアンケートの苦情があったので、かなり念入りに行うようにしています。なのに本当に皆さん無反応です。15年前にはかなり気を遣って触診をしていたのに、最近は”くすぐったい”という概念自体を忘れていました。
本当にくすぐったくないんでしょうね。5年前に仮説を立てた通り、最近の若い人は子どもの頃に親御さんや兄弟からくすぐられた経験がないのだろうこと、確信に変わりつつあります。ただ、くすぐったがらなくなったのは若い人だけではないのです。大の大人も概ねくすぐったがらない。ご高齢の方もくすぐったがらない。大人だからがまんしていることも考えられないわけではないのですが、がまんすると力が入るので、触診している側はすぐに分かるものです。わたしの技術の進歩はないわけではないでしょうが、何か人類の皮膚感覚が鈍磨してしまっている(日本だけかもしれないけれど)ことがメインの理由のような気がして、ちょっと不気味です。
だから、クビ元触るとカラダをくねらせて”きゃっきゃきゃっきゃ”笑い始める子どもたち見てると、救われた気持ちになりますね。
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