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よく噛む、ということ

「よく噛んで食事をする」と食後の血糖上昇を抑えられる 「よく噛む」食事法は朝と夜で効果に差が

肥満予防に「ゆっくり食べる」ことが効果的 よく噛んで食べるための8つの対策

「よく噛んで食べるのが糖尿病や肥満を始めとする生活習慣病の予防に効果がある」ということは、はるか昔から云われていることですし、当たり前のこととして、わたしは人間ドックの結果説明の時には全員に話しています。今になってどうしてこんな報告が出てくるのか。患者さんも医療者も研究者もみなカロリー計算や栄養素組成のことにしか目を向けていないからでしょうか。

人間は太古から「噛む」歴史でした。噛めない者は自然淘汰され、噛める者だけが生き残ってきました。生きていく上ではモノを噛んで消化させるしか生きるすべがなかったのです。そのうち、噛まずとも飲み込める穀物を作るようになり、火をおこして調理すればさらに噛まずとも胃腸にやさしい料理が作れるようになり、文明が発達すると柔らかくて蕩けるような食べ物が悪魔のささやきのように人々のアタマとココロを魅了してそんなもので溢れました。おそらく、今の若い人は噛む作業は面倒くさいと思っているでしょう。噛む必要がないから最初から小さなあごの子たちが増えてきたのですから。でも、噛まないと本当の食材のおいしさは分からりません。残念です。

そういうことを考えると、再び太古の歴史のように「噛まないと病気になり自然淘汰される」時代が再来したとも云えます。自ら「噛む作業」を意識せざるを得ない時代です。面倒くさいけれど、良い時代に戻ろうとしています。もっとも、うまくやるための8箇条なんてものを意識して実践している限り食事の時間が楽しくありません。究極はやはりわたしがいつも云っているように、「食事は丁寧に感謝を持って味わうべし」を習慣にできるかどうかにかかっていると思いますぞ。
 

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