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目が回る

先日、あるビルの10階で研修会があったので参加してきました。

研修会が終わって帰ろうとしたとき、2基しかないエレベーターに参加者が殺到していたので、わたしは迷うことなくエレベーター脇にある非常階段を下り始めました。わたしは昔から、「非常階段があるならそれを最優先で使う」をポリシーにしてきたからです。10階から1階まで、1階下りるごとに2往復(2回転)ずつ、合計18往復(18回転)することになりましたが、幸い何の障害物もなければ前にたたずむ人もいなかったのでスムーズに駆け下りることができました。

一応、外見上は「問題なく」だったのですが、私の中では想定外のことが起きていました。5階あたり(もっと上かも)から、階段の最後の数段を踏み外しそうになったのです。下りなのでさほどの筋肉疲労でもないと思われますし、目もちゃんと見えているのに、次の一歩を「あれ、どこについたらいいんだろう」と躊躇するんです、わたしのアタマが。一呼吸おいて冷静になればちゃんと足を踏み出せるのですが、また次の階の階段の最後の数段にあると同じことが。いや、もっとゆっくり下りるなら問題ないのでしょうが、なにしろわたしが非常階段をみつけて下り始めたのを見て何人かがわたしの後を付いてきたので、急にペースを乱すのはかえって危険ではないかと判断した次第(まあ、わたしのプライドが許さなかったと白状する方が正解かも)。

「こんなこと今までに一度もなかったのに」とちょっと凹んで家に帰ってきたのですが、昨日になって自宅の階段を下りているときにも最後の数段で同じように踏み損ねそうになりました。階段昇降なんて、特に下りる時にはアタマで何も考えなくても足が勝手に動いていたでしょ。たぶんその時のアタマの指令と足の反応に微妙なズレが生じてきているんだと思います。高齢者が時々足を踏み外すのは、単に自分の思っていたほど足が上がらなかっただけでなく、運動中枢に対する指令のミスマッチが起きている(これこそが老化か)ことも原因なのかもしれません。わが家の歴代の愛犬たちが、ものすごい勢いで階段を駆け上がり駆け下りしていたのに、あるとき一度足を踏み間違ってしまった時から急に階段に近づかなくなる姿を眺めてきました。そしてそれをきっかけに何事にも自信をなくして歳を取っていく姿を眺めてきましたが、自分にもそんな時が来たのかしらと思うと、ちとさびしい。というより、とっても悔しい。

 

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