酒はやっぱり百薬の長
Medical Tribune 2020年1月28日号に紹介された記事です。こういう話にはつい目が行ってしまいます。酒は『適量飲めば百薬の長』とは云われますが、”適量”という量がほとんど生殺しの量なので酒好きにはちょっと大変です。しかも最近は”適量”より何も飲まない人の方が良いというデータもちらほら出てきて雲行きがちょっと怪しい。
そんな中で、京都山城総合医療センター生活習慣病内科の堤丈士氏らによるこの検討はちょっとうれしい。詳細は書けませんが、見出しだけコピーしておきます。
●アルコール摂取群でHbA1cは有意に低値
●醸造酒より蒸留酒で腎機能は有意に良好
●「適量の蒸留酒」が百薬の長の条件
”「2型糖尿病患者におけるアルコール摂取は、LDL-Cを低下させる可能性が示されたが、eGFRの観点からは醸造酒よりも蒸留酒を勧める方が良いのではないだろうか」と考察。「可能であれば蒸留酒を適量摂取することで、安静時心拍数を下げ、酒が百薬の長となりうる可能性が示唆された」”というのが堤先生の総括のようです。
ちょっと驚いたのは、”LDL-Cは非摂取群(89.0mg/dL)や適量摂取群(91.8mg/dL)よりも過剰摂取群(81.7mg/dL)では有意に低かった(いずれもP<0.05)”という結果。エチルアルコールは量に正比例してHDLコレステロールが上昇する(だから酒で上がるHDLコレステロールコレステロールは『善玉』ではないという人もいる)と昔から云われていますが、なんと「酒を飲めば飲むほどLDL(悪玉)コレステロール値が低下する」という。そんなこと、全く知りませんでした。
ただしこれ、2型糖尿病の患者さんの話です。糖尿病ではない自分でも当てはまるはずとばかりに飲み過ぎませんように。LDLコレステロールは酒の肴の種類や量も影響受けますし。とか書きながら、この話を肴にして焼酎をちびちび飲めそうだな(笑)
最近のコメント