認知症リスク
最近、何かと認知症と絡めてくる。「これを食べると認知症予防できる」とか、「これをすると認知症になりやすい」とか。その中で、高コレステロール血症治療薬のスタチンが認知症を助長するというデータが出てきて、動脈硬化治療のためにスタチンを服用していた患者さんの心をザワつかせたのは2年くらい前のことでした。最近になって、アンチのデータがきちんと出てきています。わたしも、サプリ代わりに飲んでいるわけじゃないのだから、変な雑音に惑わされることなくきちんと服用を続けてほしいと思っておりました。
”「スタチン使用は、認知症リスクの有意な低下と関連していることが示唆された。このような結果を検証する今後の研究は、患者、臨床医、政策立案者にとって有用な情報となるであろう。さらなるエビデンスが確立するまでは、スタチンは心血管疾患の治療で承認されている薬剤であることを、臨床医は意識しておく必要がある」"
そんな中、酒やタバコの認知症に関するデータの方が興味はあります。先日、CareNetで配信された喫煙との関連記事を紹介します。
”禁煙は認知症リスク減少に有益ではあるものの、禁煙期間に依存することがわかった。本研究では、禁煙後9年以上経過した場合に認知症発症との関連が消失し、認知症リスクを減らすためには中年早期に禁煙する重要性が示唆された ”(Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2019年11月1日号)
ARIC研究という前向きコホート研究だそうです。タバコが認知症リスクになるのかどうかという研究ではありません。タバコは認知症リスクなのです。タバコを止めてから何年したら認知症リスクがなくなるのか?という研究なのです。高齢になって止めてもすでに認知症が発症してからでは遅いのです。「認知症が怖くてタバコが吸えるか!」という御仁は勝手に吸っていればいいと思いますけど(間接喫煙には気を遣ってください)。
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