寝過ぎは脳卒中リスク
今や、がんを含む生活習慣病を管理する上で最も重要なツートップは『腸内細菌叢(腸内フローラ)』と『睡眠』。この2つを固めておけばおおよその病気は克服できると思われます。でもそうなるとこれに関する研究発表があちこちで出され、そして真実が何なのかしばらく混沌としてくる。今回はCare Netに年末に掲載された中国の華中科技大学のXiaomin Zhang教授らの報告(Neurology 2019.12.11オンライン版)について紹介します。
”高血圧や糖尿病、喫煙習慣などの脳卒中のリスク因子を考慮しても、一晩の睡眠時間が7時間以上8時間未満だった人に比べて、9時間以上だった人では脳卒中リスクは23%高いことが分かった。”
”昼寝の時間が30分以内だった人と比べて、90分を超えていた人では脳卒中リスクは25%高かった”
”一晩の睡眠時間が9時間以上と長く、かつ昼寝の時間も90分を超えていた人では、脳卒中リスクは85%と最も高いことも明らかになった。”
育ち盛りの子や思春期の若者が休みの日に24時間以上寝ていたなんてことは良く聞きますが、高齢になって長時間睡眠をするということは、睡眠の質が悪い(脳や代謝系の病気があるのでなければ、ほとんどの場合は寝ているようできちんと眠っていない・・・睡眠時無呼吸症候群などのように)ことに他なりません。長すぎる睡眠の方に「睡眠時間が長すぎるから眠くても起きるべきだ」と云いたいわけではないので、体内時計をリセットするためにとりあえず朝早くに起き上がるところから気をつけてみましょう。そして昼寝は20分くらいで目覚めるように目覚まし時計でもセットしましょう。
ただ一つだけ気になるのは、”睡眠時間が6時間未満と短くても、脳卒中リスクへの影響はみられなかった。”というものです。確か、睡眠についての常識はV字(あるいはU字)パターンで、「睡眠は長すぎても短すぎても危険」ということではなかっただろうか?「ショートスリーパーは短命」が常識だと教わったのですが。
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