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2020年2月

やる気です!

12月から始めている職場でのダイエットトライアルは、開始2ヶ月過ぎにしてすでに6キロも減量できています。

「いつもものすごい距離を歩いているのに、腹は出てくる一方なんだよ!」
「先生、どうやったらそんなにやせられるわけ?」

同僚のドクターたちにそう云われてそう悪い気はしないのですが、わたしの答はとてもシンプルです。

「『やる気』の問題です!」

このトライアルは、わたしのこの季節の毎年恒例の行事です。最初にトライした二年は何もしなくても直線的に10キロ以上やせました。鏡に映る自分の姿が入院中の老人に見えて愕然としたこともあります。その後徐々に減量幅が小さくなり、昨年は2キロ減るのがやっとでした。それが今年は2ヶ月で6キロを越え、さらに減っていく勢いです。それはなぜか? 毎年設定する毎日の行動目標の項目は、少しはマイナーチェンジするけれども基本的にはほとんど同じ(つまり特別なことは何もしていないのです)。だから、今回の減り方はわたし自身も驚いていますし体重計に載る度に半信半疑でおります。毎日マジメにスクワットに取り組んだからとか、お酒とお菓子を控えたからとか、そんなことは今までもちゃんとやっていたと思うのです。でも今年は違った。それはなぜか?

実は、今回は昨年の春以降10センチも膨らんでしまったお腹周りをどうしても5センチ以上は小さくしなければならない、という切羽詰まった大きな目的があったのです。先週新潟で行われた学会に、きちんとスーツを着て参加しなければならないことが決まったのは半年ほど前でした。その時に他の会合で1年ぶりに冬スーツを出してみたら、ズボンが入らない! どこぞのダイエットCMのように、お腹を無理矢理引っ込めて強引にファスナーを引き上げて着てみましたけれど、これを遠い地で1日中着ておくことはほぼ不可能だと悟ったわけです。どうしてもクリアしなければならないようなタイムリミットがあるダイエットは、漠然と「やせたい」と思うような単なる願望ではありません。かといって、特別な悲壮感は持ちたくないので、最初に決めた毎日の行動目標をきちんと守る、ということ以外のことは何一つやっていないのですが・・・。

だから、今回想定以上の効果に驚いているのはわたし自身ですが、でもやはり今回のエッセンスは、「やる気!」だけだと思います。

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気持ちの問題?

昨日の日曜日は、熊本城マラソンでざわざわする熊本から早朝に逃げ出して、福岡で開催された日本抗加齢学会九州地方会に行ってきました。さすがに日曜の朝にいつもの朝より早くに目覚まし時計で起きるのは「つらいなあ」と思いました。まあ、休みでも平日と同じ時刻に起きるのはいつものことなのに、今日に限って「つらい」と思ったのはなぜでしょうか。

で、「わたしが最後にまともに休んだのはいつだったかな?」と考えてスケジュール帳を眺めてみたら、それは2月2日(日)でした。先週は新潟に学会出張でしたし、建国記念の日も一昨日の土曜日も稼働日出勤で夕方まで働いていましたものね。「げー、次の有休の日まで、実質17連勤じゃねえか!」・・・つい、叫び声をあげてしまいました。

でも、わたしはそもそも日曜日や祭日でもほとんど家には居ません。わたしのスケジュール帳は週末から埋まっていきます。2週に一度は、応援しているプロサッカーチームのホームゲームを観戦しに隣の県(わたしの生まれ故郷)まで運転して行きますし、そうでない日はゴルフの誘いに二つ返事でOKし、それもなければ洗車したり草取りしたり、とにかくわたしはもともと超多動児なので、週末にサッカー観戦やゴルフで一日中動き回っていても翌日の月曜日に「きついな」と思うことはほとんどないのであります。

いつもは何週間も続けて休んでなくても全然苦になっていなかったのに、それが今回に限って「げ、17連勤なの?」と、超めずらしい反応をしてしまったということは・・・今のわたしは、思った以上に疲れているのだろうと自己分析しております。

次の有休は一日中ぼーっとして何もしないでおくべきなのかもしれないな、と思う次第です(たぶん、そんなことできないと思いますが)。

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「1日10~20分の運動でも効果がある」

1日にたった10分の運動でも認知能力の向上につながる 運動をしない習慣がもっとも危険

”1日わずか10分の運動で認知機能を良好に維持できる可能性がある。「もっとも危険なのは、まったく運動をしないことです」と、研究者は強調している。 ”

●1日10~20分の運動でも効果がある
●体力の低下した高齢者にも運動は必要
●若い頃からの運動の継続が重要
●短い時間でも長い時間でも運動の効果は重要

単純にこれだけのことです。でもこれだけのことが大変なのです(笑)。10分でいいというのだから、これはもはや意識の問題だけです。今、ダイエットのために職場を10分歩いています(実際には10分×3回です)が、これは習慣付ければどうということありません。問題は、それを意識的にするかどうか、それだけです。「人間には運動欲がない」・・・昔、運動指導士さんに教えてもらったこのフレーズを今でも健診指導に使っていますが、人間には運動欲がないのだから、例え単なる10分の歩行でも、この第一歩が大変なのですよね。そのために、こんなデータを公表しながら、「頑張ってもらおう」と働きかけるわけでしょう。

”運動の量は多いほど良く、1日に1万歩以上歩く人では、1日に5,000歩未満の人に比べ、脳の容積が大きいことが示された”
”運動をすれば血流が増え、より多くの酸素が脳に運ばれる。過去の研究では、短い時間でもウォーキングなどの運動をすることで、脳の認知機能をコントロールする部位の活動が活発になることが確かめられている”
”運動を習慣として続ける事で、血糖を下げるインスリンの脳での作用も向上する。「脳のインスリン抵抗性」は認知症の要因として注目されている ”

単純にそういうことなのですが・・・それが、面倒くさいんでしょうねぇ。

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メタボとフレイル

メタボ対策からフレイル対策へシフトするタイミング【高齢者糖尿病診療のコツ】

 Care Netに連載の『高齢者糖尿病診療のコツ』第17回のテーマがこれ。そうなんです。糖尿病の有無とは関わりなく、若い間ずっと「メタボ!メタボ!」と指さされ、「今メタボを改善させないと今日の帰りに心筋梗塞で倒れてもおかしくないぞ!」と脅されていた御仁が、ある日を境にして今度は「ちゃんと食べて体重が減らないように気をつけないとフレイルになって介護保険のお世話にならなきゃいけなくなるぞ」と云われる・・・そんな理不尽な概念を、指導する立場の私たちはどうしたらいいのか、いろいろな学会で耳を澄ませてそこのところを聞き取ろうとしてみるけれど、だれもが曖昧なことしか云ってくれない。「個人差があるから」とか云いながら。

それに対して回答をしてくれた東京都健康長寿医療センターの先生方のこの記事はそれなりに参考になりました。

”一般住民の縦断調査では65歳以下ではタンパク質摂取が増えるほど死亡リスクが高くなりますが、66歳以上ではタンパク質摂取が少ないほど死亡リスクが上昇しています”
”メタ解析で健康的な食事パターンは65歳以上でのみ、フレイルのリスクを減らすことが報告されています”
”J-EDIT研究では、75歳以上の高齢糖尿病患者でのみ、野菜や魚が多い“健康食事パターン”は、肉や脂肪の摂取が多い“肉食食事パターン”と比べて死亡が少ないという結果が得られています” など。

メタボ対策からフレイル対策へシフトする目安も一応は決まっていますが、実際には当然生活歴や持病やそもそもの体格などが関連するので、単なる統計学や疫学だけで一律に決める話ではありません。昨年、新しい糖尿病診療ガイドライン2019(※)が発表されましたが、テレビやマスコミがそれを適当な素人解釈でまことしやかにまくし立てるのだけはやめてもらいたいものだと思います。

※日本糖尿病学会は、昨年秋に発表された『糖尿病診療ガイドライン2019』で食事療法について改訂を行い、標準体重ではなくて、年齢を考慮した目標体重を用いた新たな総エネルギー摂取量の設定法を提案しました。

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優しい灯り

わが家では、家中の電灯を消したとき、階段の滑り止めがほんのり明るくなる。
家を建てた27年前からずっとそうである。

「へえ、すごいですね、これ」と云ったら、「今から作る家はどこでもみんなこうですよ」と当時の住宅会社の人が云っていたから、現在ではもっとすごいのかもしれません。

そういえば、二階の部屋の電灯(これは27年ものではありません)も、消すとしばらくほんのり明るいまま。消した後に移動できるように、すぐに真っ暗闇にならない心遣いなんだな。

若い頃はこんなの贅沢以外の何物でもないと思っていたけれど、歳を取ると本当にありがたいと思う。こういう細かいところの心遣いを再認識できると、日本に生まれて良かったな、と思います。

 

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喫煙者は痛がり

喫煙は禁煙後も身体の痛みに永続的に影響

” 喫煙によって健康上のさまざまなリスクが増加することは周知の事実であり、喫煙によって身体の痛みが強くなるという報告もある。さらに、現在は禁煙しているがかつて日常的に喫煙していた人は、日常的に喫煙したことがない人に比べて身体の痛みを感じやすく、現在日常的に喫煙している人と同じように高いレベルの痛みを感じることが分かった。喫煙した期間が痛みに対して永続的な影響を及ぼす可能性があるという。英・University College LondonのOlga Perski氏らがAddict Behav(2020; 102: 106229)に報告した。”

これは、Medical Tribune 2020年01月30日配信の記事ですが、なかなか面白いところに着目して研究するものですね。研究者は、「痛みのレベルが増強する原因は、喫煙が身体のホルモンフィードバックに悪影響を及ぼしたり、組織を損傷したりしているためであるかもしれない。」と、私にはちと意味が理解できないことを書いていましたが、そもそも「喫煙が生涯にわたり身体の痛みを強くする可能性があるということは、喫煙しない理由として重要である」というのは説得力あります。1回煙草を吸い始めたら痛みに弱くなるぞ! だから最初から喫煙なんて考えないのが1番だぞ!・・・そんな考えのモチベーションになるというのでしょう。ただ、好奇心でタバコを吸い始める時には、痛みに弱くなるかどうかなんて、気にも止めてないでしょうけれど。

 

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マスクの功罪

インフルエンザが猛威を振るう時期に来て、毎日マスコミを賑わすのは『新型コロナウイルスによる肺炎の流行』。いや待て待て、明らかにインフルエンザ対策の方が重要だろ!と思うのだけれど、世の中はこの得体の知れない幽霊に振り回されている感。もっとも、今回の新型コロナは実は武漢の細菌研究所で開発されていた細菌兵器が漏れ出たのだという未確認情報も流れ出しているから、一層世界中が疑心暗鬼の坩堝の中落ち込んでいるのかもしれません。

で、中国本土だけでなく日本でも薬局やドラッグストアの「マスク完売!」が続いています。もともと子どもの頃からマスク・うがい・手洗いはしっかり指導されている日本人なので、「マスクがなくなる」と考えたら急に不安になるのでしょうか。マスク自体はすぐに供給されるようになるでしょうが、感染予防よりも花粉症に悩まされている人たちにとっては「冗談じゃないぞ!」と云いたくなることでしょう。

さて、その”マスク”。咳エチケットとして咳やくしゃみをする人が付けるなら十分な意味があるけれど、どうもない人の予防にマスクは意味があるのか?という論議もまた出回っています。本当はどうなのでしょう。おそらく、空気感染の麻疹・水痘・結核の予防以外ではよほど感染者と濃厚接触(家族が感染したとか、満員電車の中に晒されるとか、感染者の診療をするとか)しない限り、効果は少ないと思います。でも、私はマスクをします。それはマスクの効果が他に期待できるからです。まず保温。マスクをするだけで体感温度がかなり上がります。寒い冬の外回りでも、首巻きとマスクさえしておけばあまり寒くない実感はどなたにもあるでしょう。私はまず防寒の目的でマスクをします。それともう一つ(本当は医療的にはこちらの方が重要)、マスクをしている限り、無意識に指先が自分の口や鼻を触ることがないからです。接触感染や飛沫感染は、感染者の体液が自分の皮膚(大部分は手や指)を介して粘膜(口や眼)に入り込むことから始まります。日常生活で、ドアの取っ手や階段・エスカレーターの手すりや電車のつり革や、必ずいろんなところを触っている自分の手指についた細菌やウイルスが最初に侵入する危険性があるのは自分の口。マスクしている間は、絶対に口や鼻は触りませんから、それはかなり有効な防御策だと思っています。そういう意味では、そのマスクを手で触るときにマスク面を触れないように注意しないと意味がありません。

ちなみに、うちの病院の感染担当医師からの一斉メールには、「対策の基本は、通常の感染対策の徹底です。顎マスク・鼻マスク・肘マスク・マスク表面を触っての脱着では意味がありません」とありました。

 

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