牛乳の弊害
もう15年近く前になるだろうか。友人から熱心に『牛乳神話完全崩壊』の本を勧められて読んで衝撃を受けたことを思い出します。やっとこの手のデータが医療データとしても出始めてきたのかなという印象です。むかし眉唾物の筆頭にあげられていた「生活習慣病は腸内細菌が司る」いう考え方も今や一気にブームを通り過ぎて学問の主流にのし上がろうとしています。
ことの真偽はわかりませんが、少なくともこういう概念はむかしから知っていたし、さもありなんというスタンスで受け止めてきたので、スムーズに理解できます。
N Engl J Med(2020;382:644-654)に掲載された「牛乳と健康」の総説(著者はハーバード大学の公衆衛生のドクターたち)を西伊豆健育会病院病院長 仲田 和正先生が読み解いた記事です。エキスをコピペすると、
1.思春期の牛乳高用量摂取で最終身長が伸びる
2.思春期の牛乳摂取はコップ1杯/日ごとに高齢時の大腿骨近位部骨折リスクが9%増加!
3.高身長は大腿骨近位部骨折、その他の骨折、肺塞栓症、がんを増やす
4.カルシウム摂取は骨塩量、大腿骨近位部骨折を改善しない
5.小児は、低脂肪乳製品で体重が増加する。ヨーグルトは減量に有効かも
6.牛乳摂取は前立腺がん、子宮内膜がんと相関
7.全死亡率と蛋白源の関係:加工肉>卵>赤い肉>牛乳>魚>鶏>植物
8.牛乳不耐性児は豆乳でアレルギー症状が改善する
ちょっと誤解を招きそうな見出しもあるけれど、「思春期に牛乳を飲み過ぎると身長は伸びるが高齢になってから大腿骨骨折を起こしやすくする」ということと「カルシウムを取り過ぎてもメリットはあまりない」ということと、「牛乳を飲み過ぎると前立腺がんや子宮内膜がんになりやすい」ということが重要事項の様ですね。牛乳信者の皆さん、自分だけでなく、まわりの子どもや若者にしっかり教えてやってください。”牛乳は過ぎたるは及ばざるがごとし”なのだ、と。
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