血圧測定
「健診の血圧は、保健師さんが何度も測って一番低い値を結果表に書き入れてくれすけど、本当は一番最初に測った値が一番大事です。『測ったら高かった』ということを認識してください。何度も測り直したら下がったというのは、血管にまだ弾力性があるということを示しているから良いことなのですが、一日中じーっとしてぼーっと生きている訳ではないのだから、『動けば高血圧になる』ということは大事なことです。こういう公の場で測った血圧が高い(たとえ測り直したら下がったとしても)ということが『高血圧症』の定義です」「血圧は、むしろ仕事中の方が上がると思うので、お昼休みとかに職場の血圧計に手をつっこんで測ってみてください。それがご自分の本当の血圧だと思います。是非、そんな時の値を記録して外来受診時に医師に見せてください」
そんなことを人間ドックの結果説明の時に受診者さんに話す私です。が、さて自分はどうか。降圧剤を服用し始めて15年くらいになるのですが、太ればコントロール不良になり、やせればまずまずになることを繰り返してきました。今はやせている時期なのですが、たまたま朝起きて測ったら160/110mmHg前後を表示したので、妻が驚きました。「あなた、ちゃんと血圧を測りなさいよ。スマホに血圧記録するアプリなんかいっぱいあるんだから、朝昼晩きちんと測って記録して、それをもって循環器専門医と相談してください」ときっぱり云われました。
ということで、まじめに測定しているのですが・・・朝起きて測ると160/100だったりするけれどもう一回測ったら145/95でもう一回測ったら135/85まで下がったりするわけです。日本高血圧学会の家庭血圧測定の基準は、その3回の平均値を記録すること。つまりこの場合は147/93ということになるのですが、私は何事もなかったように135/85mmHgと入力してしまいます。測った後しばらくしてから測り直して少しでも下がったら、一旦保存してある値を上書きしてまで書き直してしまう。「だって、測り直したら下がったんだもん」とか自己弁護しながら。
嘘は記録してない。だけどまるまる本当でもない。「真実を記録する」って本当にむずかしいなって話です。だから、最近のICT機能の様に測定機器の表示した値が自動的にアプリに送信されるものでないと、人間はどこか書き写す時点で手心を加えしまうものだと自覚しました。そして、そういう機能を使って逃げられない記録の方が人間は一生懸命になるものだということも。
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