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厳格な血糖管理は危険?

HbA1c6.5%未満でPCI後の心血管死リスクが増大

”初回PCI後の心血管死リスクが最も低いのはHbA1c7.0~7.5%であり、HbA1c6.5%未満では有意なリスク増加が認められた”(Cardiovascular Diabetology 2020.2.18 オンライン版)

つまり、「厳格な血糖管理は、細小血管症抑止には有効だが大血管症に対してはむしろリスクを高める可能性」を示した結果だということです。もちろん、対象者の中でHbA1c6.5%未満の人に高齢者が多く、合併疾患(高血圧やCKD)のある人が多かった様ですが、HbA1c7.0~7.5%群が一番リスクが低く、「HbA1cが低くても高くてもリスクが上昇するというU字型の関係」が見られ、特にHbA1c6.5%未満群のリスク上昇が有意だったというのです。さて、それは結果なのか原因なのか? 

糖尿病患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後の生命予後とHbA1cの関連について検討したという順天堂大学のこの結果って、意外とセンセーショナルな結果じゃないのですか? わたしが無知なだけであって実は臨床現場では常識的な想定内の結果なのですか? なぜなら、糖尿病患者の心血管イベント二次予防として注意すべきことがコントロール不良症例だけでなく、「あまりにも厳格な血糖管理をするとでも心血管死リスクが上昇する可能性がある」というのです。となると、「PCI後の糖尿病管理はほどほどに」ということを患者さんに伝えすべきだ、ということになるのでしょうか。

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