スロカロ
なかなかわかりやすくまとまっていたので読んでみました。「スローカロリー」とは、糖質の小腸での消化・吸収速度をゆっくりさせることで食後高血糖や肥満を抑えようとする考え方ですが、完全に市民権を得たように思います。ただ、概念は同じでもその方法論は千差万別で、いまだにどれが正解なのかわかるようでわからない現状があります。低脂肪が良いとか低炭水化物が良いとか高タンパクが良いとか、世の中単純に栄養素だけで論じ過ぎ(しかもゼロか百かの議論ばかり)だというのがわたしの持論ですので、この記事はとても参考になりました。
結局、「低炭水化物ダイエットか低脂肪ダイエットか」ではなく、「健康的なダイエットか不健康なダイエットか」という至極当然な結論になるわけで、
●「健康的な低炭水化物ダイエット」とは、食物繊維の多い全粒粉やシリアル、玄米など質の良い炭水化物、デンプン質の少ない野菜、大豆や豆類、ナッツ類などの植物性タンパク質を十分に摂り、動物性食品に含まれる不飽和脂肪酸を摂り過ぎないという食事法。
●「健康的な低脂肪ダイエット」とは、飽和脂肪酸を控えめにして、植物性タンパク質を十分に摂り、品質の良い炭水化物を摂る食事法。
となるのは容易に理解できます。
ただ、一般論として「健康的な食事」は「不健康な食事」よりおいしくない。というか、魅惑の禁断の刺激が決定的に足りないから食指が動かない人が多い、というところがネックなのだと思います。理屈はわかるけど、健康のために簡単に誘惑を振り払えるほど人間の”欲望”は柔なモノじゃないのですよね。「この方法が良いという話とそうでもないという話があるでしょ。訳わかんないから、もう自分の好きなようにしようと思うんですよね」と云う受診者さんがたくさんいますけど、”欲望”ってどんな正論にも簡単には負けません。スロカロを論じる上でも、「何を食うかよりどうやって食うか」という概念を地道に脳裏に焼き付ける根気強い作業が要るのだと思っています。
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