肘で突く
ずっと気にはなっている『ナッジ理論』。意味は理解できるんです。そしてこれが行動経済学という分野のおもしろさなのだと思うんです。
「肘で突くほどの小さなきっかけを与えることで人々の行動を変える戦略」として、企業のマーケティング戦略や公共政策で用いられる手法らしいのです。
一番有名なのは,公衆トイレの男性小便器の壁にあるとき突然現れた標的の的(アムステルダムで初めて使われたのは小さなハエの絵だったとか)。女性にはピンとこないかもしれませんが、男性なら1度は見たことがあるはず。別にどうということのない小さな的の絵なのですが、無意識のうちにその的に小便を当てようとしてしまうのです。その結果、飛び跳ねが減ってトイレの小便器周辺が汚れなくなったのだそうな。ま、慣れてしまうと的当て意欲も失せてきますから、そんなに長くは効果なかったんじゃないかと個人的には思いますが、それでもかなりセンセーショナルな出来事でしたね。
そのほかにも、
ファミレスメニューの「店長のおすすめ」→つい注文してしまう
スーパーレジ前の床にある足型表示→指示されなくてもそこで待つ
「ここは自転車捨て場です」の貼り紙→不法駐車しなくなる
メニュー表示を3段階にする→中くらいの値段を選ぶ
など、思いがけないところでわたしたちは見事にだまされて誘導されていることがわかります。まあ、こういうものはだまされてもあまり悪い気はしないものです。相手はかなり意図的に誘導しているのに、「してやられた」と苦笑いする程度であることが重要なのかもしれないと思います。時々、あえて定価を高めに表示した上で、「●●%オフ!」と煽る詐欺まがいの商品表示がありますが、あれはいけません(先日、妻がまんまとその手法に引っかかって、結果としていつもより高い納豆をまとめ買いしてしまった!と怒っていました)。ちょっとウイットに富んだアイデアで、提供する側もされる側もウインウインの関係になれるようなそんなものを生み出してもらいたいものだと思います(自分でアイデア絞り出せる才能がないので、すべて他人任せですが)。
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