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2020年5月

口は何のためにある?

動物の口は何のために存在するのか? 考えたことはありますか。

人と会話するため? 人を褒めるため、ののしるため、告げ口するため、愛を語るため・・・? 声を出すため? 呼吸するため? 愛する人とキスするため? 感情を表す表情を作るため?

いろいろあるけれど、わたしは基本的には口はモノを食べるためにあるものだと考えています。栄養補給は点滴でもできるし胃にチューブを入れて流し込むこともできますが、自分の力で自分の口で噛んで飲み込むのが基本。そのプロセスを通過するかしないかは雲泥の差であり、認知症患者さんや高齢者が口を使わずに栄養管理し始めた途端に一気に衰えてしまうことは医療者でなくてもよく知られていることです。

でも、そんな医療管理上の問題やエネルギー効率・消化の善し悪しの問題もさることながら、やはり口を使ってモノを食べることの一番重要な意義は、『おいしい』という喜びを得ることでしょう。それは人間としての尊厳であり摂理です。「おいしくなければ食べても意味がない」・・・端的に云えばこういうことですよね。だから、『健康のための食べ方』『糖尿病や脂質異常症を予防するための食べ方』などと云いながら専門家たちが熱く語っていることが、「おいしく食べる」を二の次にしては意味がないわけで、わたしも含めて指導する側は常にそのことを最優先に考えて話すべきです・・・かなり前からそう主張してきているわたしではありますが、コロナ禍で新しい生活様式を考える上で、何かと”食べること”そのものが変わってしまった(外食できずにテイクアウトが増えたり、家族みんなが自宅に居るようになって昼食形態が変わったり、自分で料理を作る機会が増えたり)昨今、予防医療の概念を軽視することなく、今まで以上に『おいしく食べる』健康法を研究していきたいと思っているところです。

参)『口は何のためにあるか(何のための知識シリーズ (6))

 

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7つの約束

2020.2.10に東京である会議がありました。レジリエンスジャパン推進協議会というもので、その中でSTOP感染症2020戦略会議が『新型コロナウイルス感染症対策にかかる緊急提言』として”STOP感染症・7つの約束”と題された指針が発表されました。

約束1 正しく恐れる。
約束2 ウイルスや菌の顔と性格を知る。
約束3 “STOP感染「新生活習慣」”をつくる。 
約束4 最新の対策技術にも目を向け情報収集する。
約束5 喉元過ぎても熱さを忘れない。
約束6 新型肺炎以外の感染症にも目を向ける。
約束7 防災用品だけでなく、感染症対策用品も備蓄を!

この頃は、まさかここまで猛威を振るって日本ばかりか世界中を震撼させる状況になるとは思ってもみなかったでしょう。この時期に示された提言は、見通しが甘かったのかあるいはまさしくその通りになったのか、そしてこれから修正すべきものは何なのか、今の状況できちんと検証すべきです。

7つの約束の中で、まず大事なのは約束3であり、これが今まさに厚労省が口うるさく云っている『新しい生活様式』なわけでしょうが・・・2月当時聞き流していた連中も、その2ヶ月後にはかなりナーバスになって実践するようになりました。
 

 

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自分との戦い

ここ3、4日、睡眠の質が最悪だ。1~2時間ごとに小便に起きるが大して膀胱が広がってはいないことが実感で分かる。それは、きちんと眠れていないのが原因だ。それは、夜に飲み過ぎて転寝してしまって夜中に起きてから入浴するからだということも分かっている。12月から3ヶ月かけて減量し、腹囲を10センチも縮めたのにもうほぼほぼ元に戻ってしまった。いつもは半年くらいで徐々に緩くなるのに・・・とりあえず「コロナのせいだ!」という世間の逃げ口上を使おう。ヒマで早々に仕事から帰ってきて早々に晩酌を始めるからこうなるし、どこにも行けないから休みの日は昼間から飲み食い始めるし・・・だから、コロナのせい(笑)

「人間は反省はするけれど学習をしない動物である」・・・けだし正論。ま、腹が出たの出ないのの反省は良いとして、睡眠の質は何とかしたい。そういえば、昼間にこれだけ眠いのは久しぶり。若い頃、救急医療をやっていた頃は19時より前に帰っていたら「あら、もう帰るの?いいご身分だね」と皮肉られたものだ。夕飯を20時21時に食い、持ち帰った仕事をしていると風呂に入るのはいつも12時を回り、翌朝は7時前から毎朝カンファレンスだったからいつも睡眠不足だった。それに比べて今は、用もないのに17時過ぎて職場に居たら「早く帰れ!」と叱られる時代。わたしの今の仕事はアフターファイブもないしきちんと定刻で帰ることができるから、毎朝6時に起床するのも苦にならず、毎日が元気はつらつなのである。だから、睡眠だけはきちんとしたい。だから、早く帰って飲み過ぎることだけは早く修正したい。「別にアル中じゃないのだからまったく飲まなくても困らない。『今日は飲まない』て云ってみようか」とか思いながら帰路に就くのに・・・気づけば手にお酒・・・ああ、全部新型コロナが悪い!(笑)

「自分で行動目標5項目くらい書き並べて毎日○×でもつけない限り、自分には勝てませんよ」・・・人間ドックの結果説明でいつもわたしが口にしているモチベーション対策。どうしても腹囲を縮めないと困るような切羽詰まったモチベーションが伴わない限りそう簡単には勝てない自分との戦い。今日から始めようと思うけれど、ん~どうなることやら。

 

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墓じまい

先日、2ヶ月半ぶりに越境して墓掃除と墓参りをしてきましたが、ちょうどその前夜に独りで考えていたことを、奇しくも妻が墓石を拭きながら呟きました。

「このお墓、将来どうするつもり?」

次男坊として生まれた父は独立して自分から家系図が綿々と繋がっていくことを夢見てこの墓を作りました。最初に土に帰ったのは母でした(享年57歳)。父が母を弔いながら数年後にこの墓を建て、母の死から19年後に父が突然死して土に帰りました。この墓にはわたしの父と母の骨だけが眠っています。わたしは姉と2人姉弟で、4歳上の姉は三重県に嫁いでいます。甥は2人いますが、彼らはこの墓とは無縁です(長男は爺ちゃん子でしたから時々ふらっと墓参りにきてくれているみたいですが)。わたしたち夫婦には子がいません。つまり、この墓はせいぜいわたしたち夫婦が入ることがあってもそれで終わり・・・その後、この墓を守る者もなく、この墓に参りに来る人すら無くなるでしょう。足繁く墓の掃除のために来てくれていた叔母もほとんど家から出られないくらい弱ってしまいましたし、叔母の子たちはこの墓とは無縁。実家が見下ろせる見晴らしの良い高台の墓地にある墓ですが、車がなければ到底来れない場所でもあります。

そんなことを考えたら、「むしろわたしが元気なうちにこの墓じまいをした方が良いのではないか。父は無念かもしれないけれど、無縁仏になる前にきちんとやることをやって整理した方が良いのではないか」・・・そんな想いが最近強くなってきています。わたしたち夫婦の骨の行き場がなくなりますが、妻はもともと「海に散骨してほしい」と云っていましたし、わたしもそんな形でも問題ありません(まあ、最後に処置をしてくれる人がどうするかはわかりませんが)。

これから、姉が元気なうちにそんな相談もしなければならないのでしょう。父母の骨は本家の墓に移してもらう(もっとも我が家の墓は吉相墓なので、2人の骨はもうすっかり土に帰ってしまっているでしょう)ことも可能かどうか話してみなければ。そして、何よりも、どんな手続きがいるのかも誰かに聞かないと何も知らない。そんなことを漠然と考えていたところだったのです。

「墓じまいの算段をしないといけないね」と答えたら、
「とりあえず、あなたが運転免許証を返納する時期が来たら考えましょうか。足がなければどちらにしろここまでこれないのだから」と妻が結論を出してくれました。

ふう。まだひとつ、重い任務が残っていることを思い出しました。

 

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目元美人

COVID-19(新型コロナウイルス感染)の大流行のおかげで、世界中の誰もがマスクを義務づけられ、うちの施設でも勤務中はスタッフ全員が必ずマスクをしていなければなりません。「マスクをしていると口元が見えないから受診者さんに伝えられる情報が半減する」という理由で可能な限りマスクしないようにしていたわたしも、さすがに今回はポリシーを捨てました。医療をする側もされる側も、お店などでは提供する側もされる側も皆がマスクしていることで得られる安心感というものがあります。というか、日本人は優しいようで厳しい人種ですから、マスクしていないと皆が怪しいモノを見るような非難する眼で睨みつけます。緊急事態宣言が解除されても基本姿勢は同じなので、公の場でのマスク装着は安全管理の視点と云うよりは社会ルールとしての秩序です。

もう2ヶ月近くマスクをしていると、すっかり慣れてきました。話を聞く側の受診者さんも「マスクはしょうがない」という顔で聞き入ってくれるので、思っていたほどの障害はありませんでした。話す側も話される側も口元を隠してることで安心できてお互いにジロジロと眼を見合ってもあまり恥ずかしい気持ちにならないなと実感もしました。たしかにマスクで顔の半分を覆い隠すと、ヒトの印象は大きく変わります。いつもさわやかな笑顔で可愛いらしいなと思っていたお嬢さんが、マスクで口元を隠すと思いの外しっかりとした眼力で見つめられてタジタジさせられたり、逆に日頃は厳しい表情でちょっと怖かったりするヒトがマスクしたら今まで気づかなかったつぶらな優しい瞳だったことに気づいて微笑ましかったり・・・。実は、わたしは真面目な表情をするととても怖い印象になるしちょっと口元を緩めるとにやけ顔になるし、だから自信が無くてつい俯きがちになっていました。なので今、じっと相手の目線と合っても平静で居られるのは、明らかにマスクのおかげです。

マスクの力ってすごいですね。もっとも、うちの職場の大多数がマスクしているので事務所に行っても目的の御仁がどこに居るのか識別が簡単でなくなっています。歳のせいかと思いきや、最新iphoneはマスクしているがために「顔認証してくれない」とぼやく妻。それにしても、日本人はまじめな国民性ですね。こんな暑い時期にマスクして歩くなんて自殺行為もいいところ。まじめな国民性であるがために熱中症が激増しそうで怖い面もあります。 

 

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EVALI(電子たばこ関連肺傷害)

”電子たばこ関連肺傷害(e-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury;EVALI)は、もはや世界的によく知られた疾患概念となった。日本では電子たばこに規制がかかっているため、EVALIに遭遇することはほとんどないが、世界的に問題となっているこの呼吸器疾患について知っておく必要があるだろう”という書き出しで、Medical Tribuneの『Doctor's Eye』の記事(倉原優先生)が配信されました。

新型コロナ並みに重篤な電子たばこの肺傷害~米CDC 2,618例の検討>という題名です。

電子タバコの肺傷害(障害ではなくて傷害)は、その重篤さが最重症のCOVID-19(新型コロナ感染)と区別できないほどの肺炎です。もちろん日本で許可されている加熱式タバコではなくて米国で吸われている液体型電子タバコのことであり、その成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)やビタミンEアセテートが悪さをしているそうですが、倉原先生の云うとおり、諸外国(特に米国)で許可されているモノはいとも簡単に国内で許可されるのが常の日本にあって、この肺破壊兵器だけは日本で認可しないでほしいと切に願う者のひとりです。

というか、今回のCOVID-19流行をきっかけに、あんな激しい肺破壊をもたらす電子タバコ類を全廃すべきだという動きに世界的に発展してほしいものです。ちなみに、日本で許可されている加熱式たばこについては急性好酸球性肺炎などの報告が続いているそうですが、これはEVALIほどの重篤さはありません。アレルギー関連の白血球の反応のようです。でも結局これもまた、人工異物が体内に吸い込まれることによる生体の拒絶反応。まあ、イラン世話かもしれませんが、自らのカラダが「イヤだ!」と訴えているモノなのだから、変な言い訳せずにスッパリ縁を切った方が良いんじゃないんでしょうかしら。

 

 

 

 

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高齢者のタンパク制限の問題(2)

(つづき)

各々の先生の意見のいくつかを列挙します(自分の備忘録の意味も含めて)。

・佐久市コホート研究では、「毎日肉を食べている人はeGFR(腎機能の予備能の指標)低下率が高い」との報告。
・赤身肉や加工肉は腎機能低下リスクになるが、鶏肉や魚はリスクなしという報告。
・65歳以上の女性では,タンパク質摂取量と虚弱とに有意な逆相関があるという報告。
・1g/kg体重以上のタンパク質摂取はサルコペニア発症予防に有効であるという報告。

<高タンパク食不要論:渡邊昌先生>
※日本ではタンパク質摂取のみ強調されるが、エネルギー源摂取が忘れられている。
※肉を食べれば肉になるのか?
※長寿村vs短命村:長寿村では、やさい(特にニンジン、カボチャ、ナガイモ)を食べる、米より麦が主、大豆、大豆製品を食べる、小魚を食べる、魚の内臓も食べる、海藻が常食で、ゴマもよく食べる。でも、タンパク質摂取が多すぎると若いときは筋骨隆々だが皆若死にしている。
※エネルギー源が足りないと筋肉を分解してグルコースを作り出して血糖をあげようとするわけだから、エネルギー不足からくる筋肉分解を誘発する。糖質・脂質・タンパク質のバランスが求められる。
※「高タンパクは腎不全を起こす」
※「腸内フローラと食事の共存」
※『おいしくないものは滋養にならない』

<高タンパク食必要論>藤田聡先生
※骨格筋は身体活動を生み出す重要な組織であり、骨格筋の増量と筋力強化は身体運動の基礎である。
※筋量低下→予備能低下→ケガや疾患が重症化しやすい。
※骨格筋は体重の30~40%を占める。
※骨格筋は常に合成(同化)と分解(異化)のバランスで一定に保たれている。
※食事により、筋タンパクの合成速度が2倍になる(特にタンパク質摂取の時に著明になる)。
※高齢者は少量のアミノ酸では効果不十分で、一度に充分量のタンパク質を取り続けていかないとサルコペニアになっていく。
※3食不均等にタンパク質を摂取するとフレイルになりやすい!→0.4g/kgに達していないと十分なタンパク合成ができない。
※3食不均等(夜に多い)のタンパク質摂取の高齢者は、3食均等に摂取している高齢者よりフレイル発症リスクが高い→特に朝はタンパク質が少なすぎる。
※3食のうち、1食でもタンパク質の必要量を満たしていない群は、3食すべて充足している群に比べて、除脂肪量が有意に少ない→朝食のタンパク質不足が筋量低下リスクになっている!

●高齢者は若年者に比べて、骨格筋のタンパク合成を刺激するために必要なタンパク量が多くなる。
●高齢者のほとんどが朝食で十分なタンパク質を摂取できていない。
●高齢者のみならず、成人においてもタンパク質摂取量(特に朝食)は見直す必要がある。

 

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高齢者のタンパク制限の問題(1)

予防医学の現場で生活指導をする上で、とても悩ましい問題があります。『高齢者のフレイル対策に高タンパク食は奨励すべきか否か』という問題です。専門書を紐解いても、あるいは学会のこの手のセッションを聞いても、とても曖昧で実際に現場ではどうしたらいいの?と困っているのです。だって、「炭水化物と脂肪分を減らしてタンパク中心に食べなさい。年を取れば取るほど筋肉を落とさないようにしっかり肉を食いなさい」と云われるけれど、腎機能に一番負荷をかけるのはタンパク質であり、慢性腎臓病対策ではタンパク制限が基本。そして、高齢者ほど腎機能は低下しているはずです。「タンパクを中心に食うけれど、でもタンパクは取り過ぎるな!」という理屈は、理屈としては分かるけれど、それでは実際にはどうしたらいいのか?

そんなとき、日本抗加齢医学会の学会誌(アンチエイジング医学2020.vol.16,No.2)の誌上ディベートでこの話題が出ていましたので、興味津々で読んでみました。

「高タンパク食は腎不全リスク」だからから摂らせるべきでない、という立場がメディカルライス協会理事長の渡邊昌先生であり、方や「高齢者のサルコペニア予防にはタンパク質摂取が必須であり、今の高齢者は摂取量が少なすぎる」と主張するのが立命館大学の藤田聡先生。さすがはディベート、最終的にどっちがいいのか優劣付け難しでした。でも、最初は「高齢者(特に腎機能が低下してきている場合)に”タンパク、タンパク”というのは危険だ」と思っていたわたしですが、「タンパク質をきちんと三食(特に朝食)摂らないと筋肉が分解されて減っていく」という藤田先生のデータに内心かなりショックを受けています。強い意志を持って『朝食を取らない主義』を貫いてきたわたしですが、年寄りになった今だからこそ、朝飯(特にタンパク質のおかず)たっぷり摂らないとまずいのかな?とココロが揺らいでいるところなのであります。

(つづく)

 

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カッコ悪い?

朝散歩していると、公園のベンチを使って奇妙な体操をしていたり中途半端な格好で自己流に小走りしたりしている高齢者(特に男性)をよく見かけます。健康のために自己流で続けているのだと思います。どこかの健康教室で教わった体操かもしれません。

それを見ながら、「偉いなあ。自分だったら絶対こんな公衆の面前ではできないな」と思うのであります。若い人と違って、歳を取ると無理が利きません。頑張りすぎると血圧が上がったり、思いがけないケガをしたりして、そのまま寝たきりになったりするパターンが珍しくありません。だから、高齢者には高齢者向けの安全でかつ効果のある運動方法が考案されており、現場(施設や健康教室など)で積極的に実践されています。ここでも紹介したことのある『スロージョギング』や、今でもわたしがこっそり毎日やっている『つかまりスクワット』はそれの代表的なものです。これからアスリートとしての筋肉作りに励むのでない限り、年取ってからの体力作りはこの程度でも十分、ということです。

ただ、ハタから見るとちょっとカッコ悪いんです。見るからに”老人の健康教室”メニューなんです。だから、わたしのように独りで誰にも見せないようにやる(つかまりスクワットは、昼休みに診察室のドアを閉め切ってこっそりやってます)分にはいいのだけれど、外で公衆の面前で堂々とやるのはちょっと恥ずかしいのであります。「わたしは年寄りです」と主張し、「あのじいちゃん、健康体操してるんだ」的な目で見られるのがシャクなのであります。できたら、若い子たちと同じようなジョギングをしたいし、同じようなスクワットをしたい。「すごいな、あのじいちゃん、若いな」と思わせるくらいの姿だったら(むしろ自分から進んで)堂々とやるんだけど。

そんなプライドも、あと数年したらなくなるのかなとは思うけれど・・・今はもう少しだけ見栄を張って生きていきたいのです。

 

 

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おそうじ好き

「おたくのご主人は、いつもそうじをこまめにしていますね」「毎朝早くからご主人が洗濯物干ししていて感心ですよね」・・・そんなことを近所のヒトから云われるらしい。熊本地震で住んでいた借家が倒壊して我が家のすぐ近くに住むようになった義母がそれを聞きつけて、「みっともないから、あなたがちゃんとそうじとか洗濯物干しとかしなさいよ!」と妻(実娘)に説教したようで、巡り巡って、わたしにそのグチが回ってきました。もう30年以上の付き合いなのに、今さらそんなこと云われてもねえ。彼女がズボラなんじゃなくてわたしがセッカチ、というかそうじや洗濯が好きだからやってしまうわけで、「そんなこと、要らん世話じゃ」と云いたいところ。

で、そんなときに思うのです。わたしがそうじや洗濯物干ししているのをみて、「ご主人は感心ね」というコトバを口にするヒトって、きっと自分がそうじ好き(家事好き)ではないヒトなんだろうな、と。「そうじが好きなヒトなんか居ないでしょ? しなきゃいけないからしているだけで、しないで済むならしたくないというのは当たり前じゃない!」とか思っているヒト。そうじは面倒くさくてイヤなことだけど、それをしないと世間からだらしないと思われて、ダメ人間と云われてしまうからしなければならない・・・それは躾のひとつでしかない、と。それを聞いて「本当にみっともない」と感じた義母もそんな人種の一人なのかもしれませんね。『そうじ好きなヒト』? 居ますよ、ここにひとり。何もすることがなければそうじしていたい、って人種。たぶん、『そうじ好きなヒト』って、近所のご主人が奥さんを差し置いていつもそうじしていても何とも思わないと思うのです。少なくともわたしはそうです。うちのおとなりのご主人もよくこまめに家事をしていて、朝のゴミ出しや庭に洗濯物干しているときなどによく顔を合わせますが、それを何とも思いませんし、話題にしたこともありません。おとなりのご主人もそうじ好きで洗濯好きなのかな、と思うだけ。きっとあっちもそう思っているんだろうなと思います。

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たしかに緩んどる

先日の大雨の日、振替休日ですることもなくて家でテレビを観ていました。

相変わらず、テレビではどこのテレビ局のワイドショーも新型コロナウイルスの話ばかり。しかも口を揃えて””緩み”報道。1週間前の街中写真と先週末の写真とを比較したり、県をまたいで遊びに来ている人たちを捕まえてインタビューしてみたり、いろいろ工夫して報道しているけれど、結局似たようなモノ。ルールを守らない姿を指摘して「けしからん」と怒ってみたり、各自治体や国の施策に批判をしてみたり、相変わらずだな~と思いました。つい1週間前にもう一つの日記にボヤいたばかりです。

でも、なんかちょっと想いが変わってきました。この猫も杓子も<『緩み』けしからん報道>なのは、出演している”専門家”や”コメンテーター”の戯言なんか最初からどうでもよくて、国民の目と耳に煩わしいくらい見せつけることで”注意意識”を植え付けることに意味があるのではないか。そんな気がしてきました。緩むことは想定の範囲内。緩まなければたぶん人間は壊れる。でも、「ほどほどにね」という感じでしょうか。

たしかに自分の日常を考えてみても、明らかに緩んできたと思います。もちろん、きちんとマスクして外に出るのは忘れていませんし、外から帰ってきたら必ず石鹸でしっかり手洗いします。商店街のスーパーに行ったり、ホームセンターに行ったりしたら、ちゃんと入り口にあるアルコール(または次亜)で入る時と出る時の2回消毒をします。でも、職場ではそうでもない。1ヶ月前にはどこを触っても感染する気がして怖くてたまらなかった。手すりを触ってもドアノブを触ってもすぐに必ず消毒を繰り返していたし、できるだけ触らなくてもいい扉を選んで移動したし、とにかくことあるごとに手洗いしていたのに・・・今はかなりズボラになっています。もう1ヶ月近く新しい感染者が出ていないのだから、今はわが町の市中にウイルスは存在していない可能性が高いと思っている・・・これはまあ、しょうがないことだと思いますが、でも、「ほどほどにせねばな」という自戒も持ち合わせてはおります。

 

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高齢人間ドック(2)

(つづき)

・感音性難聴は加齢とともに進行し、高音域から進む(4000Hz聴力は加齢性難聴の指標)
・低アルブミン血症の原因は、アミノ酸不足、肝臓における産生低下、腎や消化管からの喪失、異化亢進、分布異常(胸腹水)
・アルブミンは立位や座位の採血(外来)に比べて臥位の採血(入院)で低値になる。
・筋肉量が減ると血清クレアチニン値が低下するのでeGFRは高めになる。甲状腺機能亢進症でクレアチニン値は低下し、降圧剤で上昇することがあるので高齢者では腎機能評価時に注意が必要。
・中性脂肪:中年期は男女ともに増加し、高齢期は男が減少傾向だが女は閉経後に上昇する。
・HDLC:男性は加齢とともに増加するが、女は55歳以降に低下傾向。
・LDLC:男は中年期まで増加した後に減少傾向、女は閉経後に顕著に上昇し、高齢期に低下する。
・空腹時血糖は男女ともに加齢とともに増加するが、男は65歳以降に減少傾向になる。
・高齢者では糖尿病頻度が増加する。
・脂質と血糖の栄養指導では、過度の食事制限で低栄養や体重減少やフレイルにならないよう留意する。
・ヘモグロビンは男は加齢とともに漸減、女は40歳まで低下し50歳代に一旦増加してその後に漸減する。
・高齢者の貧血の1/3は栄養性貧血(偏食やタンパク質不足)、1/3は二次性貧血(がんなど)、残り1/3は原因不明(老人性貧血)。

指導者として書き写しながら、結局はこれからの自分自身の評価ポイントですから、しっかり覚えておこうと思います。何と云っても、”メタボ対策”の世代から”フレイル予防”の世代に移行しようとしているわたしですが、おそらくこの時期は個人差が一番大きくなるときですから、この混沌とした移行期をどう過ごしたら良いのかは試行錯誤の日々になることでしょう。

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高齢人間ドック(1)

2020年3月に日本人間ドック学会から『高齢人間ドック受診者指導の手引き』というハンドブックが送られてきました。

人間ドックや健診の基準値はあくまでも全年齢層(むしろ若年層中心)の平均値で形成されていて、ヒトのカラダは年齢とともに平均値が変化してくるのが当たり前なのに、その若年者の基準値を使って評価しているとかえって間違った方向に誘う危険性もあるわけで、そこのところに特化して注意点を列記してありました。①身長、②体重、③BMI・腹囲、④血圧、⑤聴力、⑥アルブミン、⑦腎機能(eGFR・クレアチニン)、⑧血中脂質、⑨血糖・HbA1c、⑩ヘモグロビンに分けられて、年齢分布とともに詳細に解説してあります。

全部を転記できないので、この中からいくつか抜粋してみます。

・身長は出生年代の栄養状態の影響を受けるから、高齢者はもともと身長が低かった可能性がある。ただし25歳時より4cm以上低下していたら椎体骨折のリスクがある(2.8倍)
・体重減少は「低栄養状態」の反映。後期高齢者で2~3kg/6ヶ月以上減少していたら保健相談を勧める。食事療法が行き過ぎていないか、特にタンパク質不足になっていないか。
・男は60歳以降にBMI減少傾向になるが、これは筋肉や内臓重量の減少による可能性がある。腹囲は減らない。
・BMI低値や体重減少は認知機能低下リスクになるが、メタボも認知機能低下に関連する。
・サルコペニア肥満の予防のため、タンパク質摂取+レジスタンス運動を推奨する。
・加齢とともに収縮期血圧が上がり、高齢期は拡張期血圧が低下する。脈圧が上がると脳卒中。冠動脈疾患のリスクがあがる。
・高齢者は血圧変動が大きい。

(明日につづく)

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何でも前向きに考えたい

昨日のことでした。

土曜出勤を終えて帰って来た自宅の駐車場で、車を降りた後にちょっとした弾みで持っていた車のキーを取り落としました。そうしたら、当たり所が悪かったみたいで、キーホルダーの人形がパーン!と音を立てて割れました。2年前に夫婦で泊まった別府地獄温泉郷のホテルで買った青鬼の人形・・・その足のところでベースと真っ二つに。そもそもキーレスエントリーの車ですからいつもはバッグに入れてあるキー。この時たまたまポケットに入れてあって、用もないのにたまたま取り出して、こうなりました。でも、今までにも何度か取り落としたことはあるのに無傷だったから、ホントに驚きました。

思い出の品ではあるモノの、「形あるモノはいつか壊れる」・・・諸行無常の理でありますから、「まあ、これが私の脚でなくて良かった。身代わりになってくれたんだと思いましょう」と自分に云って聞かせました。そしたら、妻が云うのです。

「そうね、で、それでも脚をケガしたら、『あの時のこと(キーホルダーが割れたこと)はこのことの前触れだったのかもしれない』と云われ、『あの時のことがあったから、本当はもっとひどいケガになるかもしれなかったのにこんな軽傷で済んだのかもしれない』とか云うことになったりするんだよね」

イケズな事を云うなあと最初は思いましたが、この何事も前向きな考え方は大事だよねと思い直したところです。なんでもかんでもネガティブに考えがち(なんでこんなの落としたんだろう? なんでこんなに簡単に割れたんだろう? 何か悪いことの前触れかしら?などと考えだしたらキリがない)な私。こんな小さな事でも、ポジティブに考えて行くって、大事なことだよね。

気を取り直して、あの時セットで買った赤鬼のキーホルダーに付け替えました。あの時には勢いで青鬼・赤鬼の2個を買って「ムダ買いになったかな」と後悔してましたが、こんなパターンの出番が回ってこようとは・・・。

 

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夜型人間

先日の『時間栄養学』の紹介の中にも何度か出てきた『夜型』・・・時間栄養学的には夜型より朝型の生活様式の方が病気予防には有利なのだそうです。そもそも人間の歴史は、朝起きて朝飯前に仕事して、日が昇って暑い間は家でゆっくり休んで、夕方になってもう一度仕事して、日が沈んだらさっさと寝る、というのがサイクルでしたから『夜型』なんて存在しようがなかったのではないかと思いますし、学校や仕事も朝から始まるのが常です。

でも、ヒトの体質にはそもそも『夜型』と『朝型』があって(詳しくは2014.3.24『25時間周期のウソ(前)』か、その記事の原著『8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識』(日経BP社、三島和夫、川端裕人著)をお読みください)、それは各人特有の体内時計が24時間からどれくらいズレているかにかかってきます。朝起きて学校に行くのが辛い、仕事に行っても午前中ぼーっとしている、そんなヒトは全員が夜更かししすぎているからではなく、初めから油断すると夜型になっていく傾向の体内時計の人が居るのだと聞いています。

だから、朝型人間になるのが時間栄養学上とても良い、といって夜型人間が朝型に直そうと無理をすると返って体調を悪くすることもあるそうですのでご注意ください。夜型を助長するのが夜の強い光刺激(夜の街のネオンやスマホの光)なので、夜にそれに触れないことは鉄則ですけど、今やスマホなしでは生きていけないヒトが多いかもしれません。また、高齢者ほど朝型にシフトしてしまいます(これは2014.8.『朝型/夜型への変化』でも触れたことがあります)が、それだからといって、朝型人間の老人が必死に夜更かしして夜型人間に変えようと頑張っても決して若返れるわけではありません。

自分の特性の中で、ただ、自分の日々の生活リズムだけは崩さないようにしながら、とりあえず爽快な朝を迎えられる毎日に感謝できるようになればいいかなと思っている今日この頃です。

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持病がない?

新型コロナウイルス感染症で話題になるのが『持病』。

「持病があるかないかが重症化するかどうかに影響を与える」のだと云い、誰々には持病があったとかなかったとか、そんなことをテレビやマスコミで云ってます。でも、実際には持病があるかどうかなんてきちんとわかっているのでしょうか? マジメに通院しているヒトならともかく、世間では「自分は病気なんか何もない」と云い張る”病人”がたくさん居ることを知っています。そもそも健診すら受けないから糖尿病や高血圧や心臓病があるかどうかも知らない(知ろうとしない)くせに、「持病はない」と云い張る。ちょっと体調悪くても病院に行かずに薬局で市販薬を買ってやり過ごすヒトが都会にはとても多いことを知っています。

わたしの知人は小さな個人経営の社長さんだけど、検査は絶対にしない。「どうもないのに病人扱いされるから」と云う。一度ためしに健診受けてみたら、血糖が120あってHbA1cが6.7だった。「糖尿病だから治療受けろ」と保健師に云われたけど、「どうもないのにこの程度の値だけで病人にしたがる」と怒って、それ以降「検査は絶対に受けない」と云い続けています。そんな彼はコロナに罹っても「わたしに持病はない」と答えるでしょう。「わたしは免疫力をつけるためにいろいろしているからコロナにも絶対罹らない」というのが持論です。そんな彼のような輩は世間にとても多い。従業員は労働安全衛生法で健診を受けるのが義務づけられていますが、会社経営者は無職のヒトや主婦と同様に健診を受ける義務はないので、かえって厄介です。

「咳があって味覚障害があったけど、発熱はなかった感染者がいる」という報道にずっと怯えていましたが、さてこの「発熱」というのはどの程度のことをいっているのだろうと考えました。37度くらいは「発熱なし」と云うらしいが、平熱35.7度のヒトの36.8度は「発熱なし」で良いの?とか考えたときに、大きな疑問が湧きました。そもそも、世間のヒトは”平熱”自体をちゃんと把握しているのかしら。この騒動が起きるまで自宅に体温計すら持っていないヒトが大多数だったはず。若い女性で基礎体温計できちんと自分の体温測っているヒトなんて今いるのかしら。額を自分の手で触って「熱はない」と云うヒトも少なくないでしょう。

「持病」とか「発熱」とか、医療従事者の中では常識中の常識の基本データそのものがそもそも怪しいのに、急にまことしやかな常識用語としてまかり通り始めたことに返って戸惑っている昨今です。

 

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あたふた

GWのある日の朝のことでした。いつものように朝から仏壇の水を替えてから、ろうそくに火をつけて線香を小さく折ってろうそくにかざして火を移して・・・粛々と作法をこなしていた時に、小さく折った線香の1本が香炉の灰の中に落ち込みました。

どうということもない小さな出来事でしたが、その1本が頭から灰の中に落ち込んだことから騒動(わたしの中でだけの騒動ですが)が始まりました。香炉の中の灰は底なし。その小さな1本を取り上げようと思うけれどなかなか取れない。使っていない長い線香で引っかけようとするけれど何かすればするほど沈んでいく。しかも気づけば無傷だった他の線香にまで灰がかぶってきて数本は頭が灰に埋もれかけている。あれあれあれ、と独りであたふたと慌てる自分にちょっと苛つきながら、「もう、いいや」と開き直って人差し指と親指を灰の中にツッコんで真っ白になった線香を救済。消えていた火をもう一度つけ直しました。一件落着。でも、香炉の周りは悲惨な状況。残りの線香はあちこちの方向に散らかり、かぶった灰は香炉の縁からリンや机の上にまで広がり、拭き取ろうとしたら一層汚れていく始末。「一体何が起きたの?」と云わんばかりの惨状になってしまいました。お参りできる状況ではなかったけれど火が点いているからそのまま手を合わせましたが・・・「こんなはずじゃなかたのに」「何やってるんだか」・・・独りで無性に情けなくなりました。

結局、最初の1本以外は、灰の中に埋もれはしたもののちゃんと最後まで点いていましたし、周りを掃除したら何事もなかったかのようになりました。それとともに、ココロは冷静になりました。よく考えたら大したことは何も起きていない。独りで慌てて、独りで「とんでもないことを起こしてしまった」と冷静さを失ってしまった。最初のあの1本を深追いさえしなければ、小さな1本が燃えることなく残ったというだけのことだったのに、どうしてあんなに深追いして意地になったんだろう。あんなこと、今までにも何度もあったことなのに・・・。

同じようなこと、人生にはたくさんありましたね。その場では、「取り返しの付かないことをした」「恥ずかしくてもう誰とも会えない」「もうオレは終わりかもしれない」・・・そんなに深刻に落ち込んだのに、後で考えたらどうということもなく、周りに誰も気づいた人すらいないのが現実だったみたいなこと。「神様、またひとつ勉強させていただきました」・・・もう一度きちんと手を合わせることで、今回のことは忘れることにいたします。

 

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体内時計は加齢で変化する?

最後に、早稲田大学の高橋将記先生の『加齢性疾患と時間栄養・時間運動学』を紹介します。基本的にはここ数日紹介してきた先生方の内容に矛盾はありません。『加齢性疾患』とは、生活習慣病だけでなく、サルコペニア/フレイル/骨粗鬆症、さらに抑うつなどが挙げられます。いずれも体内時計の乱れが発症に関与しているため、体内時計を如何に良好に保つかが大切であるということを述べています。ここで大事なことは、「体内時計は、加齢とともに変化する」ということです。高齢者には高齢者なりの注意点があることを忘れてはなりません。最後に、時間運動学の項目がちょっと面白かったです。

①加齢に伴う体内時計の変化~歳をとると、体内時計の振幅が低下し、ピーク時刻が前進する(朝型になる)
・睡眠時間は短縮(レム睡眠もノンレム睡眠もともに短縮)する
・時差ボケやシフトワークの適応力が低下する
・光に対する中枢時計(視交叉上核)の感受性が低下し、さらに網膜の光応答そのものも低下する
・ピーク位相が前進し(早くなる)、体内時計周期(長さ)が短くなるので、朝型傾向になっていく

②糖代謝
・インスリン機能は昼~夜にかけて低下するので、夕食後の血糖値は朝食後より高くなる
・夕食時の糖質とアミノ酸代謝機能は朝より低下している
・茶カテキンの糖代謝改善(食後高血糖抑制)効果は、夕食時に顕著
・午後(夕方)に高炭水化物を摂取した方が、午前にとるより糖代謝機能が低下する(食べるなら朝の方が良い)
・時間制限食(食事摂取時間を制限する)は、1日の前半(午前中)に実施すると効果的

ということで、高橋先生の”高齢者に対する糖尿病予防のための提言”は、
1.夕方以降の炭水化物摂取を抑える
2.1日の摂取エネルギーの割合を1日の活動期の前半に多くする

③加齢性疾患への対応
・サルコペニア予防→朝食のタンパク質を多くする
・骨粗鬆症予防→カルシウムを多く含む食品を夜に多くとる
・抑うつ予防→睡眠/覚醒サイクルの乱れや睡眠の質の低下に対してメラトニン分泌改善のためのサプリを薦める

④時間運動学:日常的によく動く高齢者や体力水準の高い高齢者は、時間遺伝子発現の振幅が高い
・身体活動(特に高強度の運動)によって体内時計を調節できる
・骨格筋萎縮に対するリハビリ効果は、朝の方が著明
・脂肪分解効果は朝より夕方の運動の方が有効
・筋肥大をもたらす筋トレ効果は夕方の方が有効

 

 

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朝食を食え?(2)

(つづき)

緒形先生の提言は具体的には下記を参照するのがわかりやすいと思います。できることから参考にしてみてください。たぶん、全部を毎日やったら、食い過ぎますよ(笑)運動については、明らかにアスリート的アドバイスです。

⑥食べ方の注意点
・朝食から12~14時間以内に夕食を取る(夕食から翌朝の食事まで10時間あける)
・朝食は起きて2時間以内に食べる
・朝食:昼食:夕食の比率は、3:4:3がベスト(朝食多めのイメージ)

●朝食の注意点
・タンパク質をとる(絶食中にタンパク分解されているので→フレイル予防)
・タンパク質+炭水化物をとる(体内時計のリセット効果を得る)
・魚肉練り製品や魚の缶詰をとる(ω3脂肪酸による体内リセット効果+中性脂肪を抑える効果)
・発酵食品をとる(吸収しやすいタンパク質)
・塩分をとる(食欲増進、腸の栄養素吸収促進効果)
・カフェインをとる(体内時計のリセット効果)

●昼食の注意点
・しっかり食べる(午後の活動のエネルギー源)
・食物繊維をとる(セカンドミール効果で夕食の血糖上昇を抑える)

●夕食の注意点
・血糖値が上がりやすいので食べる順番に注意
・高カロリーになりすぎないように(夜はエネルギーは要らない)
・遅くなる場合は夕方に分食する(空腹時間を区切る効果)
・大豆イソフラボンの食品をとる(骨粗鬆症予防)
・就寝2時間前には食べ終わる(胃腸の消化に負担をかけない)
・適量のアルコール(リラックス効果、血糖値上昇抑制効果がある)
・血圧を下げる効果のある食品をとる(夜間血圧を抑える)

⑦食事と運動のタイミング
・アスリートはトレーニング後30分以内に炭水化物とタンパク質をとる
・Train low→一晩絶食した後の早朝空腹時(グリコーゲン枯渇時)に運動すると体脂肪が燃えやすい
・Sleep low→1日の糖質摂取量を朝と昼のみでとると、得朝の朝食前のトレーニング時のグリコーゲン枯渇をより進める

 

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朝食を食え?(1)

日本抗加齢医学会雑誌の時間栄養学の特集で、広島大学大学院の緒形ひとみ先生が書かれた『時間栄養学の視点からみた抗加齢対策』(2020.vol.16)もメモすることだらけでしたので、ボリュームありますが列記してみます。ちなみに、わたしは意図的に朝食を食べない生活なので、ちょっと耳が痛いです(笑)

①朝食のリセット効果~ヒトの体内時計(24.2~24.5時間周期)を地球の自転周期に合わせるために毎朝時計をリセットしなければならないが、そのリセット時刻決定因子を朝食が担っている!
・体内時計のリセット効果は、1日で一番長い絶食後(朝食)に食べる食事がキーポイントになる
・朝食時刻を活動期のスタートを認識する
・インスリン分泌させる食事が体内時計をリセットさせる→タンパク質(アミノ酸)と炭水化物(糖)の組み合わせが必須
・夕食が遅くなる(21時以降)ヒトは17時ころに軽食を取っておくとよい

②朝食の必要性
・朝食欠食はインスリン抵抗性を引き起こし、2型糖尿病リスクや肥満リスクを増加させる
・朝食絶食+夕食遅延は、肥満リスク、メタボリスク、腎機能低下リスクを上昇させる
・「おにぎりだけ」の朝食は、洋パンや栄養調整食の朝食より暗算作業効率が低下し体温上昇も抑えられる

③食べる順序~GI値の低いものや食物繊維を多く含むモノから食べると急激な血糖上昇とその後の低血糖を防げる
・急激な血糖上昇は糖尿病リスクを高め、血管壁の炎症や活性酸素の働きを高める作用がある

④食事時刻の影響~血糖をコントロールするには朝食をしっかり食べることが大切
・同じ量食べるなら夕食を減らした方がやせやすいし、腹囲も減少しやすい
・就寝直前の夕食や朝食欠食は1日の平均血糖値を上昇させる
・朝食を増やして夕食を減らすと、平均血糖値が低下しインスリン分泌量も低下する

 ⑤食品成分の影響
・高脂肪食は体内時計を伸展させ(夜型にさせ)、体内時計のリズムを減弱(振幅を小さく)させる
・カフェイン(コーヒー)により、体内時計は伸展させる(夜型にする)
・高食塩食は末梢時計が前進する(朝型になる)

(明日へ続く)

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メタボは時間制限で勝つ?

日本抗加齢医学会雑誌の時間栄養学の特集の中で、まず最初にわたしの仕事に関連しそうな題材として飛び込んだのは、大池秀明先生(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門)の『メタボ異常と時間栄養』という話でした。

メタボリックシンドロームに代表される生活習慣病の管理に一番大事なことが食事。でも、ヒトのカラダは単なるカロリー理論だけでは通用しないことは、ダイエットを試みるすべての人が実感していることであり、わたしたち指導する側も頭を悩ませるポイントです。ヒトにはホメオスターシスという人類が生き延びるための仕組みが備わっているからです。そこでこの時間栄養学=「いつ」食べる?の理論が重要になるわけです。大池先生曰く、

「メタボ対策は『時間』を制限すればよい」

生物が生きていく上で最適な状態を作り出すためには”活動期のエネルギー回転を高め、休憩期のエネルギー回転を低下させる”というメリハリが必要になります。このメリハリのある生活を送るためのポイントが書かれていました。

①時間制限の食事法→食事は8~10時間にまとめる
・「だらだら食い」は太り、「活動期しか食べない」とやせる。
・食事のメリハリをつけるとエネルギー代謝の日内変動が生じ、エネルギーをしっかり使うようになる。
・「だらだら食い」は代謝経路の時間的切り替えが起こりにくく、脂質合成ばかり進む。
・高脂肪食は食欲のメリハリを弱めて、代謝が低下し、合成系が亢進する。

②夜型生活をやめよう
・ヒトの身体機能や脳活動が最大になるのは体内時計が起きてから6時間後。
・朝は基礎代謝を上げていく時間帯なので入ったエネルギーは活動度向上に使われるが夕食の大半は備蓄に分配される。

③不規則な食事はやめよう~体内時計は食事の時間帯を覚える機能がある。
・毎日同じ時刻にエネルギー補給できるとわかれば無理にエネルギー節約を要さない。
・エネルギー補給が不規則だと、次がいつになるか分からないので節約モードになる。
・不規則な食生活は蓄積型(省エネ型)エネルギー代謝になる。
・シフトワーカーは太りやすく、がんになりやすい。
・夜型食事で乳がん、前立腺がんになりやすい。
・平日と休日のリズムが変わるとカラダも脳もパフォーマンスが落ちる(太りやすい、成績が落ちる)

④糖尿病予防~インスリン感受性は朝に高くなり夜に低くなる
・同じ量を食べると、血糖値上昇は夜が一番大きく、朝が一番小さい。
・仕事終わりに夜遅い食事をすると、血糖値は一気に上昇する。
・朝か昼に食物繊維を取るとセカンドミール効果で夕食の血糖上昇も抑えられる。
・分食するなら朝多く、夜少なくした方が有効。
・睡眠不足は血糖コントロールを悪化させる。

 

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時間栄養学

生活習慣病を語るキーワードは、『睡眠』と『腸内フローラ』。この2つでほとんどが語られる時代になって久しいですが、さらに最近のトレンドは『時間栄養学』です。

『時間栄養学』とは、「いつ」「なにを」食べたらいいのか?という栄養学です。単純に「栄養素の何を取ったらいいか」とか「何と何を組み合わせたら糖尿病や高血圧に有効」とかいう理論ではなく、「同じモノでも夜食べるのと朝食べるのでは全く効果が違う」という部分が徐々に明らかになってきたのです。『睡眠』を制御する時計遺伝子(体内時計)によって人間の代謝が制御されている以上、栄養効果は時刻によって変化することは理にかなっていますし、逆に栄養素や食品成分によって体内時計自体を変化させることもできることも分かってきているようです。体内時計は年齢でも変化するし生活様式でも大きく違ってくるわけで、それを無視して単なる栄養素で語ることには無理があります。毎日服用するクスリでも、飲む時刻の違いで薬効や副作用に影響することがあることは経験したこともあるでしょう。これもある意味『時間栄養学』なのかもしれません。

今回、職場の勉強会で話すために時間栄養学についての特集記事(日本抗加齢医学会 アンチ・エイジング医学2019.vol.15、および2020.vol.16)を読みました。『時間栄養学』だけでなく『時間運動学』(サルコペニアやフレイルやインスリン抵抗性の予防/改善にも適切な運動タイミングがある)の概念も面白いと思いました。ここでは、

●『メタボ異常と時間栄養』大池秀明先生(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構食品研究部門)
●『時間栄養学の視点からみた抗加齢対策』緒形ひとみ先生(広島大学大学院総合科学研究科)
●『加齢性疾患と時間栄養・時間運動学』高橋将記先生(早稲田大学重点領域研究機構)

を自分なりに整理したので紹介します。

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動くと出てくるお腹って?

GW最終日は朝から山の草刈りに出かけ(不要不急だけど誰とも接触してないし県をまたいではいないのでOKと自己判断)、2時間ずっと草刈り機を抱えて動いたのでヘトヘトになって帰って来ました。だから、ちょっと早めにお風呂に入りましたが・・・洗面所の鏡に映るお腹が・・・明らかに凹まなくなってきている(1月末レベルに戻っている)。 12月~2月の減量トライで10センチも減らしたウエストが少しずつ緩んできてはいましたが、このGWでさらに一気に出てきた? というよりも、草刈りに行く前日のお腹より草刈りの後の方が明らかに出てきているって、どういうことですか?

「え、そうなの?わたしなんか、このコロナ騒ぎでスゴくやせたよ」と妻がちょっと得意げ。出店する予定だったイベントがことごとく中止になったり、外出自粛したりでランチの外食機会が全くなくなったせいだと自己分析していました。「ボクはどうして太っていってるんだろうね? 休日でも毎朝いつもと同じ時刻に起きるし、朝晩の散歩のおかげで運動量はほとんど変わらないし、夜更かしもしないんだけどな・・・」「もっとも、日頃絶対に食べない朝食をきちんととってるから、しょうがないかもね」と云ったら、「え、朝食のせい? そんなことないわよ。いつもよりお酒の量が増えているせいじゃないの?」とすかさず妻からの口撃。

体重が増えたり、減ったりするときの原因は決して一つではありません。「ちゃんとこんなことをしているのに・・・」というコトバは陰で触れてもらいたくない何かを隠している表現だと思って間違いない。「わたしはいつも運動がんばってるんだけどな」と主張する人は決まって夜に食い過ぎているか飲み過ぎているか(わたしみたいに)。もっとも、「わたしはあまり食べていないわ」と主張する人の多くも、端から見たら明らかに食べ過ぎていますけど(笑)ほんの2ヶ月前に成功したダイエットなのだから、それをずっと続けていればこんなことにはならないし、太ってきたとしたらそれは2ヶ月前と違うことをしているから・・・わかっているんですけどね。「なぜだか全然わからない」と主張している人でも、ちゃんと自分には心当たりはあるはずなのですが、「いや、そんなことじゃないと思う」と自分に云って聞かせています、たぶん。だって、試してみればそれが正解か不正解かなんてすぐにわかるけど、したくないから否定するのです(わたし自身が乗り越えられない摂理で他人を非難する気はこれっぽっちもありませんけど)。

 

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「新しい生活様式」に思う

家の近くにキッチンカーが店を出すようになりました。公園の駐車場を閉鎖したおかげで歩いてくる人が増えて、ちょうどこの通りがお客さんの引っかけどころのようです。先日、『給食揚げパン』という看板を見て、「おーなつかしい。揚げパン、好きだったんだよね」と云ったら、「えー私はキライだった。普通のコッペパンに比べたらまだマシだったけど・・・キライなのに『食べてしまわないと席を立たせない』とか先生に云われて、ホントに地獄だったよ」と妻。「ま、しょうがないよ。何でも好き嫌いなく食べるための教育だったんだから」と云ったら、「これ、かなり問題になってるんだよ。子どもの頃に無理矢理に食べさせられたことでトラウマになって、大人になっても食べられなくなるって。だから、最近は『無理に食べなくてもいい』ってなってきてるんだよ」と反論されました。アレルギーがある子のための配慮は知っていたけど・・・ちょっとショックでした。その分、家庭での食育をきちんとできていればいいけど・・・こう云っちゃ何ですけど、そんな子は家でも(家の方が)偏食が多いんじゃないのかしら。

という話をしていたら、先日、ここに転記した専門家会議提示の『新しい生活様式』を思い出しました。新型コロナウイルスと共存するために皆が生活変容させましょうという細部にわたった提案。これを読んで、「対面ではなく横並びで座ろう/料理に集中、おしゃべりは控えめに、とかそんなことできないよね。メシは皆で楽しく語り合ってこそ美味しいんだもの。まあ、しばらくの間、味気なくてもしょうがないから皆で頑張りましょうってことでしょうね」とコメントしたMCさんが居ましたが、ちょっと勘違いしてないかしら? 『新しい生活様式』というのは行動変容のことだから、「今ガマンする」のではなく「これからこの生活が普通になる」ということです。生活習慣病の行動変容と同じです・・・「やせるために今ガマンする」のではなく「食事も運動も、今トライしてることが日常になる」というのが”行動変容”なのです。

因みに、「食事を黙って食べる」って、昔の厳格なお父さんいる家では当たり前でした。「食事は、黙って食事に集中しなさい」・・・うちもそんな家でした。それが楽しいわけではありませんが、別に苦痛でもありませんでした。それが当たり前だったからです。”ながら食い”は食事に集中しないからちゃんと栄養にならないと云われていたのに、黙々と食べていると早食いになってちゃんと味わえないので、”ながら”や”食事中の会話”が重要だと訂正されたのはそんなに昔ではありません。だから、その気になれば、慣れることはそんなに大変ではありません、きっと。

 

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行動変容?

専門家会議が提唱する『新しい生活様式』って、何事だろうか。TVで出ていた以上の内容を全部写してやりました。

「新しい生活様式」の実践例
(1)一人一人の基本的感染対策
  ◆日々の暮らしの感染対策
   ・外出は、マスクを着用する。遊びにいくなら屋内より屋外を選ぶ。
   ・人との間隔は、できるだけ2メートル (最低1メートル)空ける。
   ・会話をする際は、可能な限り対面を避ける。
   ・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替え、シャワーを浴びる。
   ・手洗いは30秒程度かけて水とせっけんで丁寧に洗う(手指消毒薬の使用も可)。
  ◆移動に関する感染対策
   ・感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える。
   ・帰省や旅行は控えめに。出張はやむを得ない場合に。
   ・発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモしたり、スマホの移動履歴をオンにしたりする。
   ・地域の感染状況に注意する。
(2)日常生活を営む上での基本的生活様式
   ・まめに手洗い、手指消毒
   ・せきエチケットの徹底
   ・こまめに換気
   ・身体的距離の確保
   ・「3密」(密集、密接、密閉)の回避
   ・毎朝家族で体温測定、健康チェック。発熱または風邪の症状がある場合は無理せず自宅で療養
   ・屋内や会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用
(3)日常生活の各場面別の生活様式
  ◆買い物
   ・通販も利用
   ・1人または少人数ですいた時間に
   ・電子決済の利用
   ・計画をたてて素早く済ます
   ・サンプルなど展示品への接触は控えめに
   ・レジに並ぶときは、前後にスペース
  ◆娯楽、スポーツ等
   ・公園はすいた時間、場所を選ぶ
   ・筋トレやヨガは自宅で動画を活用
   ・ジョギングは少人数で
   ・すれ違うときは距離をとるマナー
   ・予約制を利用してゆったりと
   ・狭い部屋での長居は無用
   ・歌や応援は、十分な距離かオンライン
  ◆公共交通機関の利用
   ・会話は控えめに
   ・混んでいる時間帯は避けて
   ・徒歩や自転車利用も併用する
  ◆食事
   ・持ち帰りや出前、デリバリーも
   ・屋外空間で気持ちよく
   ・大皿は避けて、料理は個々に
   ・対面ではなく横並びで座ろう
   ・料理に集中、おしゃべりは控えめに
   ・お酌、グラスやおちょこの回し飲みは避けて
  ◆冠婚葬祭などの親族行事
   ・多人数での会食は避けて
   ・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない
(4)働き方の新しいスタイル
   ・テレワークやローテーション勤務
   ・時差通勤でゆったりと
   ・オフィスはひろびろと
   ・会議はオンライン
   ・名刺交換はオンライン
   ・対面での打ち合わせは換気とマスク着用 

どうですか? これだけ具体的に事細かに並べているけれど、今までずっと云われていたこと以上の項目なんて何ひとつありませんよ。それなのに、この期に及んでこの事細かい列記は何なのでしょう? まるで修学旅行に行く前のレジメに書かれていることみたい(修学旅行の方がもっと簡単か)でちょっと笑ってしまいます。「分かっているとは思いますけど、一応確認しておきますよ」みたいな? だって、やっている人はみんなもうずっと普通にやってるし、きっとやってない人はこれからもやりはしないと思う。クラスの不良グループの中に改心するヤツが一人でも出てくるかもしれない、ってことかしら。

『行動変容』って、”云うは易し、行うは難し”なのですよ。生活習慣病の行動変容も全く同じだからよく分かります。今までマジメにきちんとやっていた人たちが、「今さら、何云ってるんだよ」とさじ投げないことを祈るばかりです。

 

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近くのガキどもが(笑)

新型コロナの影響か、近くの住民のお孫さん2人がずっと来ています。じいちゃんが相手をしていますが、さすがに最近ちょっと持て余し気味の様子。たしかにこのガキども、ちと調子に乗り過ぎている。

先日は、玄関前を掃いていたらすすすっとやってきて、「幼虫捕まえた」と云う。「ん?何?」と聞いたら、「幼虫」と。そして指差すその先・・・うちの玄関の花壇の石が大きく掘り返されてる。「え?これ、何?」と驚いていると、もう一人やってきた。小さなバケツ抱えてわたしに見せる。「ほら、これがカブトムシの幼虫で、これがダンゴムシで・・・」て。ここで理解しました。この兄弟、うちの玄関の庭石を勝手に深く堀りくり返して虫を捕獲したようで、あろうことかそれを得意げにわたしに誇示しているようだ。あらま。「ふーん。これ、掘ったんだ。どうやったら元に戻るんだろう?」とあたふたしていたら、兄らしい男の子が、「こうやったら何とかなるんじゃない?」といって土を石に振りかけ始めた。「そんなもんでこの石が元に戻るもんか!」と思って石を弄っていたら、何か2人で引いている風だったから、「こんなこと勝手にしちゃダメだよ」と云った上で「ここはいいけど、せっかく捕まえたその虫、ちゃんと育てるんだよ」と云ったら、「うん!」と答えて走って行きました。

「あの悪ガキがね」と妻に話したら、「あの子たち、こないだはお母さんの家(熊本地震以降わが家の裏の貸家に住んでいます)の庭の中で遊んでたんだよ。窓開けたらそこに居て、二人で腰が抜けるぐらいに驚いたんだよ」と。あはは、この子たち、ここいら全部の家を自分たちの遊び場に認定しているんだな。その話を聞きながら、自分の子どもの頃を思い出していました。そういえば、子どもの頃はこの子たちのようなこと毎日やっていたなぁ。人の家の庭に入り込んでガンガン遊んだりベランダから屋根に登ったりして、その家のオヤジに叱られて逃げたこと、何度もあったなぁ。そう云ったら、「昔はそうだったけど、今はそんな子いないし。そんなことしたら絶対に許してもらえないし、親や学校まで呼び出されて大変なことになるよ」と妻に一蹴されました。

そうか。今は、そういう時代だ。そういえば、毎週宅配してもらっているR-1が2本足りなかった。問い合わせたら「絶対に入れた」と云いながらとりあえず夜に2本追加で持ってきてくれたけど、「まさか、あの子たちが飲んだんじゃないよね」と笑う妻のことばがなんか気になっております。昔は、他人の家の牛乳勝手にとって飲んでたヤツ、居たものなぁ(笑)

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うつ病の食事?

【新型コロナウイルス】うつ病を防ぐための食事スタイル 食事改善でメンタルを強くする

 最近は配信されてくる医療系記事の大部分が『新型コロナ』で始まるタイトルで(この時期、それ以外の医学記事を出していると「それ、今必要?」と問いかけられそうな社会的空気感がありますね)、この保健指導リソースガイドの記事もそのひとつです。でも、書いてある内容は、特に”コロナうつ”に特化した内容でもなさそうに感じます。

『食事を改善するとうつ病が防げる』という概念なのですが、「この内容の食事を取るとうつ病になる人が少なかった」というデータであって、正直なところ、食事の内容のうちの何がうつに有効なのか?というところが今ひとつはっきり分かりません。

●「DASHダイエット」(高血圧の予防・改善のために開発された食事スタイルで、玄米・全粒パンなどの全粒穀物や低脂肪の肉・乳製品、野菜・果物、ナッツや豆類などを積極的にとるというもの)
●「地中海式ダイエット」(肥満やメタボの予防目的で開発されたスタイルで、野菜・果物・豆類などの植物性食品にオリーブオイル・新鮮な魚介類などを組み合わせたもの)
●「西洋式ダイエット」(ハム・ソーセージなどの加工肉、ポテトチップス、清涼飲料・菓子類などを多く摂っている食事スタイル)
を比べると、西洋式が一番うつの発生率が高く、DASHが一番低かったそうです。和食も良いけど、塩分が多いのがネックだそうです。

「健康的な食事を取って生活習慣病を予防し、腸内細菌の善玉菌を増やすと良い」・・・簡単に要約すればそういうことだと思います。それに加えて、①朝食をしっかり摂る、②間食や夜食を控える、③アルコールを飲み過ぎない、④運動を心がけるが効果的・・・ここまでくると、コロナうつどころか、普通のうつ病予防にも何も特化していない普通の『健康的な生き方』を勧めるだけの内容でした。

この研究が81歳以上の高齢者のうつを評価していたので、最近一気に抑うつ傾向が増してきているわたしにとって、今注意するモノがあるなら取り入れようと思ったのですが・・・ちょっと肩すかしでした(笑) とにかくうつ病予防においても結局は『成功に近道なし、王道を進むべし』ということのようですね。

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目が見えなくなった件

新型コロナのおかげで仕事が減りまくり時間が有り余ったから、というわけではないけれど、4月はほとんど毎日ブログアップができました。こんなこと10年も続けていたなんて、冷静に考えると、わたしって、本当にスゴかったですね。

いつの間にか5月になってしまいました。本来なら今日はメーデー。労働者の祭典の日。1年前には新しい元号に移行して日本中が沸き立っていた日。あれから1年、まったく違う日本になってしまいましたが、それでも平和でいられる今のわたしの日々に感謝しております。

最近、妙に視力が落ちたことに悩んでおりました。コンタクトレンズをしていると手元が見えません。人間ドックの結果説明をしていても、手元の結果表の数字が読めないのです。いや、もちろん老眼だからちゃんとコンタクトレンズ使用時にかける老眼鏡は持っていますが、ついこないだまで老眼鏡かけなくても何とか読めることは読めていたんです。それが急に読めなくなって・・・「目が悪くなったなあ。年寄りだからなぁ」としみじみ凹んでおったわけです。でも、わたし、ふと気づきました。1ヶ月前にコンタクトレンズを新調したんでした。それは運転免許更新を前に特に右目が見えにくくなってきたから。もう少し視力を上げないと更新ができないかもしれなくなったら・・・そうでした。運転免許更新のために近くが見えなくなることを承知の上で(老眼鏡を使用すること前提で)度を上げたんでした。老眼が進んだんじゃなくて、コンタクトレンズの強さが増した、それだけの話だったんですね。良かった(良くもないか)。

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